「FIREより好きな仕事が出来る方が幸せ」の考えに抜けている致命的な落とし穴

FIRE

FIRE(Financial Independence, Retire Early)はご存じの通り「経済的自由を獲得して早期退職しよう」という概念ですが、サイドFIREやバリスタFIREなど完全に労働は辞めずに働き続けるスタイルも存在します。

現在FIREとはもはや「働かない」ことを目指すものではなく、

Financial Independence, Retire Early from Kaisya(会社).

つまり「経済的自由を獲得して会社から退職しよう」というのが実質的に表現として正しいかと思われます。

キンチラ
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会社、つまり会社員(サラリーマン!)を辞めようということです。

仕事の裁量権が著しく低く時にはやりたくもないストレスがかかる業務もしなければならない。

そんな不遇な会社員から脱却するため生きるために必要な資産を貯め切ってしまおう、というのがFIREなのです。

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好きな仕事ならFIREしなくてもよくね・・・?

嫌な仕事をしなくてもよい・・・・

じゃあ好きな仕事をしていれば問題なくね?

FIREという概念を知った人の中にはこう考えに至る人もいるでしょう。

キンチラ
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その通り!嫌な仕事でなければ、むしろ好きな仕事であれば問題ないです!

好きな仕事でお金を稼げればすごく充実した人生を送ることができるでしょう。

FIREを目指している私としても、FIREより好きな仕事をしてお金を稼ぎ続ける状態の方が優位だと思っています。

FIREとはあくまで好きな仕事が見つけられないけど生活のために嫌いな仕事をし続けなければならないという人間が目指す概念なのです。

嫌いな仕事をし続ける人生よりも働かなくても生きていける人生の方が幸せだと定義付けているわけです。

そもそも好きな仕事でお金を稼げるなら生きている大半の時間を「好き」で埋めることができ、その上社会の役に立てているという満足感。

その方がいいに決まっています。少なくとも私はそう思います。

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全ての人が好きな仕事を見つけられるわけではない

まだ本題ではありません。まだ前段の話です。
※タイトルにある致命的な落とし穴は次項

じゃあFIREなんか目指さずに好きな仕事を見つければいいじゃん!

そう考える人もいるかもしれませんが、もちろん言うほど簡単ではないことは漠然と想像もつくのではないでしょうか。

好きな仕事を見つける、というのはもはや人生の半分以上を決定づけるかなり大きなテーマです。

人間の8割以上は労働によりお金を稼ぎ続けなければならない時期が何十年と存在することになります。

キンチラ
キンチラ

金融資産総額3000万円以下のマス層が78%であることから、あながち間違いとはいえない

その中でも嫌な仕事をし続けている人は多数派を超えて下手すれば9割は存在するかもしれません。

それでも働き続けられるのは仕事以外に楽しみや生きがいを見つけているからなのです。

毎週土日は趣味に費やしたり、かけがえのない自分の子供の成長を見守る・助けることで精神を保っているのです。

それでもいい、と嫌な仕事をし続けることを選択する人も多いでしょう。

それだけでは嫌だ、自分に合った好きなやりがいのある仕事を見つけたい!

と思い行動に移す人でもいざ転職をしてみたら期待と違った、むしろ労働環境が悪化した、好きな仕事だけど人間関係が悪化した、副業にチャレンジしたけど稼げるまでたどり着かなかった等、

実際に充実な時間を過ごせる真に好きな仕事を見つけられる人は結構少ないと思われます。

そもそも今の仕事で手いっぱいで好きな仕事を見つけるための時間が確保できない人もいるでしょう。

ともかく好きな仕事を見つけるというのは難しいのです。

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好きな仕事、でも致命的な落とし穴

仮に「今の仕事めっちゃ楽しい!やりがいがあって今充実してるよ!」という会社員がいたとします。

キンチラ
キンチラ

素晴らしいですね。心の底から羨ましいです。

少なくとも嫌な仕事ばかりして人生の大半の時間を幸せじゃないことに使っている私よりも数段幸せでしょう。

しかし今は、です。本題を話します。

会社員は仕事の裁量権が著しく低いです。

上司の命令があれば基本的には従わなければなりません。

ビジネス上の優先順位が変わればせっかく進めていた仕事を中断もしくは無駄にしてまた新たな仕事をする必要が出てくる可能性があります。

人事的に配置転換をやむなくされることもあるはずです。
本人の意向は確認されるかもしれませんが、最終的には上の人の一存で決まります。
下々の社員は結果を通達されるだけでよほどのことがなければ反発しても結果は変わりません。

大きく仕事の内容も変わる可能性もあるでしょう。
全く経験がない部署に配属させられるかもしれません。

致命的な落とし穴とは何が言いたいかというと、

今好きだ・楽しいと感じている仕事をこの先ずっと続けられる保証はないということです。

上述した理不尽な仕事内容の変更や配置変更のほか、プレイヤーとしてやりがいを持っていた人が昇進して管理職に置かれる場合もありますね。

キンチラ
キンチラ

昇進拒否は日本ではあまり現実的ではないと思われますし・・・

そうなったら転職してしまえばいいじゃないか!

というのは述べてきた通り再度真に好きな仕事を見つけられる可能性は高いとは言えませんよね。

むしろかつて好きな仕事をできていたことの方がレアだった考えた方がよいです。

会社員でいる以上、今その好きな仕事をし続けられる可能性は著しく低いと考えた方がよいです。

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好きな仕事が出来ている人もFIREを目指そう

今好きな仕事が出来ていてもいつ嫌な仕事に変わるか分かりません。

嫌な仕事に変わった時にいざFIREを目指そうと思っても時間が足りない可能性があります。

FIREは早期退職できるほどの人生に必要な資金を形成してしまう概念です。

例えば月20万円の生活を投資による利益のみで賄うためには、FIREのために必要な資産の年間取り崩し額4%ルールを適用すれば総投資額は6000万円が必要です。

キンチラ
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生活防衛資金、直近で使う予定のある資金とは別で6000万円です。

それを例えば嫌な仕事に配置された年齢が45歳だとすると、定年まで15年。

0から定年まで6000万円を15年で形成しようとすると、投資利回り5%を確保できたとしても毎月22万円以上の投資が必要です。

もちろん生活費とは別に必要な金額です。一般的感覚ではかなり厳しい額と言わざるを得ません。

さすがに45歳まで貯蓄0は考えられないかもしれませんが、中には宵越しの金を持たない人もいると思いますし、貯まった現金を一括でボーン!と投資に回せる人は少ないのではないでしょうか。

であればどんな人でも「FIREを目指すこと」自体は検討してみてもよいのではないでしょうか。

実際にFIREをするかどうかは置いておいて、FIREは目指すだけで人生にとってプラスになる要素があります。

まずはFIREを目指すと決めた後は数千万円の運用額を達成しなければなりませんから、まずは証券口座を開くでしょうし、収支を見直して大幅黒字家計に変貌を遂げることがほぼ確実です。

いざとなれば金銭的に困らず多くの選択肢も取ることができます

嫌な仕事に配置されても衝動的に退職を選択することができます
多額の貯蓄があるのでしばらく収入がなくとも生活には困らないからです。

ゆっくり環境の良い仕事を探すことができますし、少々年収が下がっても蓄財状態上で問題ない可能性もあるので求職の幅も広がります。

退職まで行かなくても休職して心を落ち着かせるという選択もできますね。

FIREを目指すことの効果というより貯蓄しておくことの効果という表現が正しいですが、単に貯蓄しようと言っても貯蓄のペースは人それぞれになりがちなのでいっそのこと目安はFIREと考えると確実に蓄財ペースは上がります。

全国民平均以上の貯蓄をすることができるでしょう。

別に多額の運用額が必要なファットFIREを目指す必要はありません。

キンチラ
キンチラ

ファットFIREとは生活費や贅沢費のすべてを投資の運用益から賄うスタイル。
一億円以上の資産が必要となり難易度が極めて高いです。

例えばサイドFIRE、バリスタFIREのような生活費の半分は投資の運用益から、残り半分は負荷やストレスの低い仕事の収入で賄うといったスタイルなら用意する運用額はファットFIREの半分で済みます。

節約節制した場合の生きるのに最低限必要な収入を運用益で賄うリーンFIREなら運用額はもっと低くてもよいかもしれません。

趣味や贅沢を除き家賃や食費、水道光熱費だけで月10万円で済むなら、運用額は3000万円でよいことになります。

リーンFIREでは趣味や贅沢はあまり出来ませんが、急に退職する選択肢を増やすための状態としては十分ですし、次の仕事を見つけるまでのつなぎなのでそれまで贅沢は我慢すればよいのです。

また老後の資産の目途を早々につけてしまいそれ以上の貯蓄をしないというコーストFIREという概念もあります。

投資の力を借りれば用意する運用額はグっと抑えられるスタイルがコーストFIRE(coast FIRE)です。
下記記事でもう少し詳しく紹介しているので閲覧してみてください。

人生はバランスです。未来への貯蓄と今を楽しむためのお金のバランスは大事なので、コーストFIRE、リーンFIREくらいが精神安定上も経済的安定上もちょうどよいポイントなんじゃないかと思います。

もし途中で頓挫しても問題はありません。

FIREを目指して形成してきた多くの貯蓄は結果として残り、精神的・経済的に豊かな状態でこれからの生活を過ごすことができるでしょう。

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まとめ

FIREは実質的な正しい表現をすればFinancial Independence, Retire Early from Kaisyaであることを説明しました。

経済的自由を獲得して業務の裁量権が著しく低い会社員から脱却しようという考えです。

本記事の本題である「FIREより好きな仕事が出来る方が幸せ」の考えに抜けている致命的な落とし穴については、

今好きだ・楽しいと感じている仕事をこの先ずっと続けられる保証はないということでした。

いくら今好きで楽しい仕事が出来ていても、裁量権のない会社員のままではいつそれが突然崩れるか分かりません。それどころか高ストレスな職種・職場に配置されるかもしれません。

その防衛策にFIREを目指しておくのも一つの選択ではないかという話もしました。

サイドFIRE、バリスタFIRE、リーンFIRE、コーストFIREという多額な運用額を用意しなくともよいスタイルもあります。

もし頓挫しても多くの貯蓄ができたという結果が残ります。

我々会社員は本当に業務内容の裁量権が低いです。それは精神的ストレスに直結します。
それすなわち幸せかどうかに直結する重大なネガティブ要素です。

重篤な精神疾患に陥る可能性も低くありません。

そんな理不尽な環境を回避するために、FIREを目指すことは大いに効果をもたらしてくれるでしょう。

キンチラ
キンチラ

あくまで私の考えなので、どう行動するかはしっかり自分で考えてくださいね!
人生はバランスです!!幸せになれる行動をしていこう!!

FIRE
都内在住サラリーマン投資家の目指せFIRE生活