以前は私の趣味について記事にしましたが、今度は若いうちのお金の使い方に関する話題に触れたいと思います。
ツイッターのお金界隈でしばしば投稿される「若いうちは投資なんかせず経験にお金を使いましょう」という論調。果たしてそうなんでしょうか?
投資派と二つの方面の言い分をまとめたうえで、私の考えを紹介します。
流されて行動を変えないように、自分の考えをしっかり持てる機会になれると幸いです。
経験にお金を使う派の言い分
様々な可能性を見いだせる
年齢が若いうちは可能性に満ち溢れています。
まだ進むべき道が頭の中で凝り固まっていないため、何者にでも変貌できる可能性があります。
とはいえ本当に何にでもなれるわけではないですが・・・例えば資産家の息子には今からではなれない人が大多数でしょう。極端なことを言うと。
それを抜きにしても無数の人生の選択ができるはずです。
その人の頑張り次第では高給取りのサラリーマンや医者、弁護士、起業家、ブログやYoutubeで稼げるようになれるかもしれません。
ただしその選択をするためにはある程度のお金をかけなければならないことは事実。
6年生大学に通ったり、大学院へ進学したり、専門的な知識を得るために通信教育を受けたり、高性能なパソコンと編集ソフトを買ったり・・・
それを若いうちに、一人で自由に選択ができる身分のうちにできるだけ経験しておきましょう、自分に合ったものがきっと見つかるはず!
というのが若いうちは経験にお金を使いましょう派の主な言い分です。
その通りだと思います。
できるだけ色々なことに触れていた方がいいに決まっています。
何がきっかけで人生が変わるかはわかりませんからね。
とりあえず海外バックパッカーをしてみて見聞を広めよう!
という学生が現れるのもそれを期待してのことだと思います。
歳を取ってからお金持ちになってどうするの
投資の否定ですね。これもよくツイッターで見かけるものです。
結構過激です。
若いうちは体力も気力もある。
若いうちにお金を使わないなんてありえない。
歳を取って体がうまく動かせなくなってから大金があっても意味がない。
若いうちにお金を使った方が断然有意義。
若いうちの思い出は今しか残せない!積極的にお金を使うべき。投資なんてやってる場合じゃない!!
確かに若いうちに色々遊んだ方が可能なことも多いし楽しいですよね。
80歳になってからエベレストに登るなんてことは現実的ではないですし。
歳を取るとお金があってもできることが狭まるというのは事実です。
若いうちのお金の価値は高い。
自己投資が一番の投資
上記のような過激派ではなくても、
・若いうちは色々な経験にお金を使った方がのちに給料が上がる可能性がある。
・自己投資をした方が一番効率的。
という理論的な意見で攻める人もいます。
結局、金融商品に対する投資は種銭が多いほど有利ですからまずは種銭を増やすことに投資しようよ、という意見ですね。
つまりは自分の収入を増やすことを第一に考えましょう、自己投資にお金をかけましょうということです。
現にサラリーマンの生涯年収という面では高卒よりも大卒の方が多いというデータがあります。
4年制大学なら給料をもらい始めるまで高卒に比べて4年のビハインドがあるのですが、それをまくって生涯年収が高くなる傾向ということです。
大学の学費という自己投資を生涯年収で回収する。そんな感じです。
※学費は親が払っているかもしれませんが、言いたいことは伝わりますよね?
海外バックパッカーだってその経験をブログや動画ネタにしてお金を稼げるかもしれません。
エベレストに登頂、仮に途中で下山したとしても、それをするのは少数派で貴重な経験です。
投資派の言い分
ここで投資とは株や債券などの商品に投資することを指すこととします。
とくにインデックス長期投資がこの議論のやり玉に挙げられることが多いです。
自己投資が実るかはわからない
仮に大学へ通ったとして、その知識が役立つ仕事に就くとは限りません。
むしろ遊んで卒業し、何の仕事にも就けない可能性すらあります。
海外バックパッカーをしても結局サラリーマンに落ち着くかもしれない。
エベレストに登ってもただの思い出になるだけかもしれない。
その経験が巡り巡って役に立つ・・・とも限らない。
結局その人次第であり、自己投資が一番優れているとは限らない。
であればインデックス投資のような再現可能な投資手法をできるだけ早く実践していた方が誰でもより確実に成果を上げられる、というのが主な言い分かと思います。
早く始めれば高い複利効果を得られる
ことインデックス投資においては時間が勝負です。
できるだけ多くの資金をできるだけ早く投資しておくことで複利効果の恩恵を大きく得ることが可能です。
なぜ早く始めなかったのだろう、20代で気づいていればよかった・・・という後悔のようなツイートも多いですね。
若いうちのお金を自己投資に回すということは、金融投資をすると得られたであろう複利効果を捨てるということです。
自己投資による成果は不確実だけど、投資による成果は確率が高い。
毎月の積立額が少額でも、長く続ければ大きな成果が得られる可能性が非常に高いのがインデックス投資です。
インデックス投資で無理なく大きな資産を形成するためには、なるべく早く開始して投資期間を確保することがセオリーです。
同じ額の資産を形成するなら、早く始めるほど積立額は少なくて済みます。
二つのケースで試算してみましょう、
case1. 毎月1万円を年率5%で大卒新卒入社すぐの22歳~老後65歳の43年間投資
case2. 毎月2万円を年率5%でそろそろかと思った35歳~老後65歳の30年間投資
最終資産はcase1.は総元本516万円に対し約1760万円、case2.は総元本720万円に対し約1640万円になります。
なんと毎月の投資額が2倍で元本も200万円以上多いcase2よりも、毎月の投資額が1/2で元本も低いcase1の方が最終資産は多くなるのです。
これが複利の力です。長い間資金が投資されているほど有利になります。
毎月1万円なら新卒社員でも生活の負担にならずに続けられる額ですし、年率5%の運用もインデックス投資なら現実的な数値です。
若いうちから投資していることで、毎月の積立額は抑えながらも目標の資産額へ早期に達することが可能です。
若いうちのお金の価値は高い(二回目)
私の考え
私はインデックス投資でFIREを目指しているため立場的には投資派です。
ただし上記のような言い分とはまた違った考えを持っています。
経験や思い出はお金がなくても得られる
まずは色々な経験や思い出を残すためにはお金が必要だという固定観念は捨てましょう。
確かにお金を使うことで経験出来ることは沢山あります。でもお金を使わずして経験出来ることも沢山あります。
例えば自転車旅や、旅行の宿を全てネットカフェにしてみたり、ヒッチハイクのみで全国を回ってみたり、筋トレに明け暮れてみたり…考えられることは無数にあると思いませんか?
そして社会人になってから振り返られる良い思い出になると思いませんか?
むしろ若いうちにしかお金を使わずに何かをするという経験は出来ないと思います。お金を持つと楽な方を選択しがちです。
例えば実家に帰省する際、学生時代は深夜バスで格安に済ませてたところを社会人になってからは新幹線を使ったりなど…身に覚えがあることはありませんか?
お金を使わないこともまた、人生における貴重な経験なのです。
使わないことで人生の役に立つこともあります。使わない術、つまり節約術や貯金テクニックを発信することでお金を稼いでいる人もいます。
どんな経験でも役に立つかどうかはその人次第。そういった意味で経験に優劣はない。
投資することも経験
経験経験と言うなら投資することも経験のうちです。
むしろ投資を通じて若いうちから経済に触れることは非常に有意義な経験だと思います。
インデックス投資でも個別株投資でも何でも良いです。
いざ自分のお金が市場にさらされると気になってしょうがなくなります。今まで気にしなかったニュースで流れる日経平均株価やダウ平均株価の変動要因を調べてしまうはずです。
もっと言うとFIREを目指すことも良い経験です。
FIREは今を犠牲にして将来のために頑張ることと認識されることが多いですし、
その通りであると思いますが・・・
FIREを達成するためにはいかに自分のお金の使い方に向き合い収支を最適化するのかを考える必要があるからです。
お金の使い方はその人の生き方の映し鏡のようなものです。どんなものにお金を使うか使わないかは人生の選択におけるかなりのウェイトを占めます。
またFIREを達成するには投資はほぼ必要不可欠なことなので、投資についても真剣に考えることになります。
お金と向き合うということは人生と向き合うということです。
何故FIREを目指すのか?
今お金を使っておきたい事・物は何か?
逆にお金を使う必要がない事・物は何か?
最適な投資手法は何か?
考えてみた結果、自分にFIREは合わないかな?
一度FIREを目指すとお金に対する色々な思考をすることになります。
様々な投資手法についても調べることでしょう。
そして収支を最適化するための思考に関しては即時人生に役に立つことです。
無駄にならないことがほぼ確定しています。
時間が限られる中で、投資をする経験を選んだまでのこと
別に投資もやったら良い
何も投資するかしないかの0か100かという話ではありません。
お金は分割することができます。
一部は投資に回せばよいのではと思います。今は100円から投資信託を購入できる時代です。
少なく始めて感覚を覚え、必要なときに金額を増やすなり、必要無いと判断すれば売却しても放置しても良いと思います。投資してみた、それも経験です。
極論で考えずにバランスで考えましょう
結局老後資金は必要
あなたが莫大な資金を持ち100年は遊んで暮らせるくらいのお金持ちなら別ですが、私のようなほとんどの一般人は自助努力で老後資金を工面する必要がある時代です。
結局老後資金は必要なんです。日本の公的年金だけでは豊かな生活を送ることはできません。
分かっていて手当をしないのはあまりいい方法ではないですよね。
なら上記で述べた複利効果を味方につけるためになるべく早く投資を始めるという選択肢は大いにありだと思います。
必要なものに備えるのは当然です。
歳を取ってからでもできることは沢山ある
若いころに比べてできることの幅が狭くなったとはいえ、趣味は無限大です。
そして身体を動かさない趣味なんてたくさんあります。
例えば私はバイクとキャンプが趣味ですが、65歳でも続けることができる趣味だと思っています。
むしろ社会人現役の今以上に楽しめるのではとさえ思っています。
老後は自分のために使える時間が多いです。
社会人のころは時間的になかなか行けなかった場所へ長期間かけていくことも可能です。
その時にお金があればなおさらできることが増えます。
若いうちにしかできないことを模索するのもよいですが、一生続けられる趣味を見つけることも大事にしてみてはいかがでしょうか。
「老後 趣味」で検索してみてください。若い人でも趣味としていることばかりです。
成功体験に惑わされないように
誰でも情報発信ができるようになった現代、決めつけ口調で人を否定するかのような発言が沢山見られます。
自分はそれが正しいと思っていても人にとっては正しくないこともあります。
お金の使い方ついては人それぞれ違った正解があります。
例えば自己投資をして成功した人は自己投資が最強だと自信を持って発信することもあると思います。
逆に投資で成功した人は投資を勧めるのだと思います。
しかしその裏で失敗している人も多くいるということを忘れないようにしてください。
表には成功体験しか出てこないものです。失敗体験なんて恥ずかしくて公開できないことが一般的です。
人の言っていること(本ブログも含めて)が自分にも当てはまるのかを考えてから行動することをオススメします。
自分の考えをしっかり持とう。自分にとっての正解は何かを意識しましょう。
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