FIRE卒業は過剰反応?単なる羨望の裏返しか

FIRE

みなさまはFIRE卒業という言葉をご存じでしょうか?

おさらいも兼ねますがそもそもFIREとはFinancial Independence Retire Earlyの略であり、
経済的自由を獲得して早期退職しようよ、という意味の言葉です。

FIRE卒業を言葉のままとらえるとすれば、FIREを辞めるということです。

とあるツイートから話題になった言葉なのですが、実はそのツイートとは異なる意味で浸透してしまっていて周りが過剰反応してしまっていると感じます。

この記事ではFIRE卒業の本来の意味と言っていい出どころの話と、過剰反応である理由を述べていきます。

キンチラ
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情報のソースは確認しないとね

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FIRE卒業とは?

本来(出どころ)の意味

出どころとなったツイートは下記のような旨ものでした。

大元ツイート:
FIREしたけどやりたい仕事が見つかった。
今はその仕事がしたくてワクワクしている。

上記ツイートの返信内:
私もFIRE生活を卒業して再度就職した。ブランクがあるけど楽しみ。
一緒に頑張りましょう。

つまりFIRE卒業という言葉の出どころの意味としては、一旦FIREしていた状態からやりたい仕事を見つけワクワクしているといったポジティブな内容でした。

やりたい仕事が見つかるということは素晴らしいことだと思います。

FIREというのは「仕事をしたくない」「サラリーマンとして働きたくない」という想いが源泉となることが多いため、

その後やりたい仕事が見つかったというのはまさにFIREから卒業したという表現がぴったり当てはまるような状況ですよね。

キンチラ
キンチラ

私にはそれがないので・・・

しかしそのFIREを卒業という言葉に対して過剰な反応を取られてしまっています
その理由は以下の意味の取違いにあります。

取り違えられがちな意味

なぜツイート元の周りで過剰反応がされているかというと、

FIRE卒業を「FIRE生活が維持できなくなった」とネガティブにとらえる人が多いためです。

確かに卒業という言葉だけで前述のようなポジティブな意味として必ずしもとらえられるわけではないような気がします。

むしろFIRE卒業 → FIREを辞めた → FIREが破綻したと考える方がどちらかと言えば自然かもしれません。

言葉が独り歩きしてしまう現代です。

このように大元のツイートの意味を知らずに反応し、かつネガティブな方に多くの人が考えてしまっているため、FIRE卒業というものに対してある種叩きのような風潮になってしまっているのです。

FIREなんてうまくいくはずがなかったんだ、と。

大元ツイートの意味を知っていればそのように思う人は少ないと思います。

キンチラ
キンチラ

なんでそうなっちゃうかなぁ

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なぜ過剰反応が起こったのか

我々のようなある程度のマネーリテラシーを身に着けたサラリーマン程度のレベルに居る人はぎりぎりでともかく、
FIREという生活スタイルを行っている人は世間では超少数派超異端児です。

働くことを辞めた社会のはぐれ者扱いです。

税金も払わず社会インフラにただ乗りしている極悪人とさえ思われています。

ゆえにぽっと出てきたFIRE卒業という言葉を叩いてやろうと考える人は多数派であるため、良い標的となってしまったのです。

キンチラ
キンチラ

FIRE界隈に居ると麻痺しがちだけどね・・・

世間に出回るインターネット記事でさえ”FIRE卒業”と表題に入れ「やはりFIREは厳しいのか」というネガティブな表現満載の書き方で国民を煽る始末です。

しかも記事によっては元ツイートのようなポジティブな状況ではなく「FIRE計画の見通しが甘く資金が枯渇してしまった」というようなFIRE失敗の事例も一緒くたにされてしまっています

このような大元との意味とは間違った解釈がFIRE卒業を叩く流れに拍車をかけることになります。

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人を引きずり降ろそうという嫌な文化

前述の通りFIREした人というのは超異端児です。

しかし同時に「働かなくても生活できている状態」という認識も持たれています。
これ以上働かなくても食うに困らない羨ましい状態です。

自分はこのまま働き続けなければいけない望みのない人生なのにこいつらは・・・

という憎しみのような感情すら抱く人も少なくないと思われます。

実はFIREを目指す我々も同じことを、もっと凄い億万長者の人に対して思うこともあります。
まだ稼ぐのか?すでに大金を手にしているのにまだ庶民からお金をむしり取るのか?と。

同種の感情なのです。

キンチラ
キンチラ

気をつけようと思います

そんなFIRE達成者に何かほころびがあればここぞとばかりに指摘し、揚げ足取りを行い、自分を正当化するのです。

FIREしたって暇でしょ?

FIREしたらボケが早まるだけでしょ

投資の利益だけで生活するなんで現実的じゃない

結局仕事に戻ったら意味ないじゃん(笑)

等々・・・

世間をこのような意見で飲み込むことで、FIREしている人、FIREを目指している人の地位を相対的に下げようとするのです。

またFIREという生き方を是としない評論家等々もここぞとばかりにコラムなどを投稿していることでしょう。

そんな感じで一気にFIREムーブメントは飲み込まれていきます。

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とはいえ働き続けることを選択したいか?

しかしそのようなFIRE卒業を叩いている人の中にも「働き続けたくない」と思う人も多いでしょう。

むしろ全国民のなかで多数派ではないでしょうか。
日本のサラリーマンの人口は全国民の87%とも言われています。

そんな人たちは実は、FIREというものに憎しみを覚えるその前に「働かなくてもよい」というFIREに憧れを抱いているはずではないでしょうか。

だからこそそれができない自分に憤り、他人を叩くのです。

働きたくない、でも働かなくてはいけない、どうすればいいかわからない、お金が貯まらない、FIRE?投資なんてもってのほか!選択肢がない!

自分ができないならFIREなんてなかったことにしよう。幻想にしてしまえ!!!!!

キンチラ
キンチラ

こういう考えって人間の性というやつかも・・・

羨望の裏返しというやつですね。

働きたくないという想いの方向性は大方一緒なのですが、
それが憧れのままか、行動する人、した人で振る舞いが変わってくるのです。

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FIREに対する認識のずれ

さて、ここまでFIREを「働かなくてよい」という意味合いで書いてきましたが、本当はちょっと違います

ここにもFIRE卒業の過剰反応につながる理由があります。

FIREについて知識のない人々はFIREを「働かなくて済む状態」と思いがちです。

実はこれは半分正解で半分間違いと言えます。

なぜなら、まずFIREと一口で言っても何種類かあることを我々は知っているからです。

フルFIRE・ファットFIRE:生活を資産所得ですべて賄う
サイドFIRE:資産所得+副業(つまり働く)で生活を賄う
バリスタFIRE:資産所得+パートで生活を賄う
コーストFIRE:老後資金の準備を早々に終え働いたお金をすべて使える状態

キンチラ
キンチラ

私はコーストFIRE~サイドFIREを目指しているよ

「働かなくて済む状態」というのは一番目のフルFIREのことを指しているのです。

しかしながら下の3つは労働を行っているスタイルであり、あえて対義語として言えば「働く必要のある状態です」

「働く必要があるならFIREじゃないじゃないか!!」

・・・というところに認識のずれがあります。

FIREというのは多くのサラリーマンにとって「働かなくて済む状態」ではなく
正確には「嫌いな仕事をしなくて済む状態」と言えます。

FIREの言葉の意味的にはREは早期リタイアのことなので働いていると成り立たないことになるのですが、
様々なスタイルが提唱されている今はもはやこの「嫌いな仕事をしなくて済む状態」というのがしっくりきます。

その中で、働くこと自体が嫌いであればフルFIREを目指せばよいし、嫌いな仕事をできるだけ避けて、あるいは好きな仕事ができればよいならサイドFIREやバリスタFIREを目指せばよいのです。

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働かなくてもよい状態で働いていることに意義がある

「嫌いな仕事をしなくて済む状態」を達成するためにはFI(経済的自由)の方が大事になってきます。

平たく言うと、いっぱいお金があればあえて嫌いな仕事を選択する必要はないよね、ということだからです。

FIRE卒業の元ツイートに戻ると、当事者は好きな仕事を見つけたのですから生き方に全くもって問題はないわけです。

形式上、FIREという生き方ではなくなったというだけの話です。

キンチラ
キンチラ

ホントに言葉そのままの意味なんだけどなぁ

もしかするとFIREを一度達成したからこそ、好きな仕事を見つけられたと言えるかもしれません。
FI(経済的自由)を達成してるため、収入度外視で仕事を探せたのかもしれないからです。

そして収入が度外視できるなら精神的に楽な状態で仕事ができます
精神に負荷がかかっている状態に比べ、作業もスムーズに行うことができるでしょう。

新しいアイディアを生み出す余裕もあるかもしれません。

働かなくてもよい状態で働いているというのはとても理想的な状態なのです。

FIREを達成、目指している人はこのことを良く理解しています。

FIREの真の意義とは「働かない」ことではなくすごく楽で安定した精神状態なのです。

好きな仕事を見つけたのならそれはそれで素晴らしいことであり、決してFIREを辞めてしまったことを責めたりはしないのです。

FIRE
都内在住サラリーマン投資家の目指せFIRE生活