ビットコインで失敗した話|インデックス投資家には投機が向かない理由

資産形成

私は現在、投資といえば「インデックス投資」一本でやっています。投資信託を中心に、長期・積立・分散を基本とするシンプルなスタイルです。

しかし、実は少額ですが、過去にビットコインを購入していた時期がありました。
完全に“投資”というよりは“投機”――短期の値動きを狙ったトレードです。

下記の記事でも書いているように、私は基本的にインデックス投資家は投機には向かないと考えています。

それなのに、なぜ投機に手を出してしまったのか。
そして、そのときの精神状態がどうなっていたのか

今回は、自分の失敗体験を振り返りながら、「なぜインデックス投資家が投機をすべきでないか」というリアルな教訓をお届けします。

成功体験よりも、失敗体験の方が学びになる。
そんな方には特に読んでいただきたい記事です。

キンチラ
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投機なんて、インデックス投資家の手に負えるものじゃなかった・・・

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ビットコインを買った時期と理由

私がビットコインに手を出したのは、世間でその名が広まりはじめた頃

つまり、「みんなが知ってる=ピークは過ぎたあと」という、ありがちなパターンです。

投資の世界には、「テレビで話題になったら終わり」という格言があります。
ビットコイン長者になれたのは、情報感度の高い“初期組”だけ。

私のような遅れて参入した人間が買っても、当時の値動きからするとうまみはほとんど残っていなかったのです。

キンチラ
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流行りに乗れたと思ったとき、もうそれは流行りの終わり

インデックス投資では満足できなかった

当時の私はすでにインデックス投資を始めていました。
しかし、含み益が出るまでには時間がかかりますし、当時は含み損の時期も。

理屈では「長期で持てば問題ない」とわかっていても、“実感”として資産が増えないのがもどかしかったのです。

そこでふと、「もっと早く増える投資はないのかな?」と魔が差しました

結果、「流行ってるし、ビットコインやってみようかな」と思い、bitFlyerに口座を開設。
8万円だけ入金し、「倍になったらラッキー」という感覚で軽く始めてしまいました。

キンチラ
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投資をしてても、実感が伴わないと…誘惑に負けちゃうよね

周囲にビットコイン経験者がいた

もう一つ背中を押したのが、会社の同期にビットコインをやっている人がいたことです。

彼は全財産をつぎ込んで先物取引までしていた猛者(すでにロスカット経験あり)。
私はそこまでのリスクを取る気はなく、現物だけでお小遣い稼ぎ感覚でしたが、「詳しい人が身近にいる」というだけで、ぐっとハードルが下がったのを覚えています。

キンチラ
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身近に経験者がいると、「やってみようかな」って思っちゃうんだよね

とりあえず口座を作っておきたかった

当時の私は、「チャンスが来たときにすぐ動ける状態にしておきたい」と思っていました。

証券口座も仮想通貨の口座も、開設には時間がかかります。
いざというときに本人確認や審査で足止めを食らうのはもったいない。

今は下火かもしれないけど、次の波に乗るには今のうちに準備しておこう」――そんな発想で、口座開設に踏み切ったのです。

とはいえ、内心では**“次こそはビットコイン長者になれるかも”という夢も少し見ていた**かもしれません。

キンチラ
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「とりあえず準備だけ」って、地味にフラグなんだよね…

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SNSとインフルエンサーの影響も大きかった

仮想通貨が話題になった当時、SNSではビットコインで○○万円儲けたという話があふれていました。YouTubeでも「10万円が1年で100万円に!」といった動画が乱立し、私のような投資初心者にとってはまさに“夢のような成功物語”に見えました。

成功体験だけがバズりやすい

ネットの特性上、バズるのは「成功体験」のほうです。数百万円損した話はあまり拡散されません。つまり私たちは、失敗を隠した“勝者の声”ばかりを浴び続ける構造の中にいるということになります。

⚠️ その結果、まるで「自分もいけるのでは?」という気分にさせられるんです。

キンチラ
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SNSって、みんな景気よく見せがちだからね。裏で泣いてる人が山ほどいるのに。

情報に乗り遅れる不安(FOMO)があった

「今買わなきゃ損する」「もう波には乗り遅れたかもしれない」という感覚。これ、**FOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐怖)**と呼ばれる心理現象です。

私も例に漏れず、ビットコインの値上がりを目にするたびに「次こそ自分の番だ」と思い、冷静さを欠いていました。SNSでの盛り上がりに飲まれていたと言っていいでしょう。

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なぜ人は仮想通貨に惹かれるのか

今ではビットコインの仕組みやリスクをある程度理解していますが、当時の私はそこまで深く調べていませんでした。ただ、確かに惹かれるものがあった。それは「夢」と「手軽さ」です。

“夢”を買える数少ない金融商品

ビットコインは、数千円から買えて、数ヶ月後には何倍にもなる可能性がある。しかも、誰でもスマホひとつで始められる。これはまさに宝くじと株の中間のような存在です。

⚠️「当たるかも」「自分も人生変わるかも」という気持ちになってしまうのは自然なことなのかもしれません。

キンチラ
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欲望のハードルが、驚くほど低いのが仮想通貨ってやつなんだよね。

簡単そうに見えるからこそ危ない

「売買のタイミングさえうまく掴めば儲かる」と思いがちですが、実際はプロでも読めないのが相場です。にもかかわらず、ビットコインは“素人でも一攫千金できる感”を醸し出しているのが危ういところ。

簡単そうに見える投資ほど、落とし穴は深い。私自身、その現実を身をもって味わいました。

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トレード中の精神状態がボロボロだった

値動きが気になりすぎて日常生活に影響

トレードの勉強もせず、なんとなく値下がりしたタイミングでビットコインを買った私。
しかし、お金を入れた瞬間からチャートが気になって仕方ない状態に。

⚠️ ご飯を食べながらチャート確認
⚠️ アニメや動画編集中もスマホをチラチラ
⚠️ 寝る前はずっとチャートを凝視

ついには、**「1分に1回スマホを見る」**ような状態にまでなっていました。

キンチラ
キンチラ

損したくないから、常に気になっちゃうんだよ…

仕事中もチャートを確認してしまう

影響は私生活にとどまりません。

⚠️ トイレにスマホを持ち込み、値動きチェック
⚠️ 休憩時間もずっとチャートを見つめる
⚠️ 会議やタスクの合間にもチラ見…

もちろん、実際に売買するわけでもないのにとにかく見てしまう

インデックス投資ではこんなことありませんでした。
それだけリアルタイムで動く投機商品は精神的負担が大きいということです。

キンチラ
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インデックス投資の「一日一回更新」って、実は優しい仕様なんだよね。

買えば下がり、売れば上がる…イライラの連続

よし、ここだ!」と思って買えば下がり、
もう売ろう」と思って売れば上がる。

この“投資あるある”が、感情を逆なでしてきます。
資産に関係ないはずのチャートですら、ずっと監視してしまうようになっていました。

「自分の判断が間違っていた」と思いたくなくて。

キンチラ
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人間って、自分の選択が正しかったと思いたい生き物だもんね。

たまたま儲かっても、また繰り返す

運良く、買値よりも高く売れたタイミングもありました。

「このままやめよう」と一瞬思うのですが…
チャートを見て再び下がると、「また買えば儲かるかも…」と再エントリーしてしまう。

そしてまた、値動きに心が振り回される日々に戻る。
このループを何度か経験しました。

キンチラ
キンチラ

一度おいしい思いをすると、抜け出すのが本当に難しい…

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投資スタイルは“性格に合うか”が重要

この経験を通してわかったのは、投資の内容そのものより、自分の性格との相性のほうが重要だということ。

私は「資産の変動が気になりすぎて、日常生活に支障をきたすタイプ」でした。
インデックス投資でも、毎日の基準価格をチェックする癖は抜けていません。

ただ、価格の更新が1日1回しかない投資信託なら、それでもなんとかやっていける。

逆に言えば、個別株や高配当株、そして仮想通貨のようなリアルタイムで変動する投資は、自分には向いていないと確信しました。

キンチラ
キンチラ

投資の才能とかじゃなくて、メンタルの話なんだよね。

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長期投資を続けるために「他を捨てる」という選択

長期のインデックス投資を成功させるために、もっとも重要なのは「続けること」です。
そして、その「続けること」こそが、最も難しいことでもあります。

インデックス投資そのものはシンプルで、やるべきことは「積み立てて持ち続ける」だけ。
けれど、現実には誘惑が多すぎます。

⚠️ SNSでは、仮想通貨で数倍の利益を出した人のスクショ
⚠️ YouTubeでは、「FIREしたいなら高配当株」と語る人気チャンネル
⚠️ 書店には、「不動産投資で月50万円の家賃収入!」という文字が並ぶ

そんな情報に触れるたびに、「もっと効率のいい方法があるのでは?」という思いが頭をもたげてくるのです。
そして一度その誘惑に足を踏み入れてしまうと、心の余白はどんどん埋め尽くされていきます。

私自身がビットコイントレードを通して痛感したのは、
自分に合わない投資は、人生の質そのものを下げる」ということ。

✖ 値動きが気になってアニメに集中できない
✖ 仕事中もチャートが気になってスマホを見てしまう
✖ 精神が消耗し、何も手につかなくなる

そんな状態になって初めて、インデックス投資の「ほったらかしでいい」というメリットの本当の価値に気づいたんです。

だから私は、あえて“他を捨てる”ことにしました。
他の投資を知り、比べたうえで「やらない」と決めたのです。

それは、消極的な選択ではなく、**インデックス投資を続けるために必要な「戦略的な選択」**です。

未来のための資産形成を続けるには、心の安定が何よりも大切
私たちは投資をするために生きているのではありません。
自分らしい人生を生きるために、投資という手段を使っているのですから。

キンチラ
キンチラ

仮想通貨の乱高下より、心の安定のほうがリターン高めに見えるんだけど…気のせい?