NISAで毎月積み立て投資しているけどボーナスや貯金などのまとまったお金はどうやって投資に回せばいいのか。
一括投資すべき?分割して積立投資にすべき?
そんな悩みに今回は一つのお答えを提供します。
つみたてNISAで積み立て投資中という方を前提にお話ししますが、それ以外の人にも参考になる内容となっているよ
投資先の口座は2パターン
つみたてNISAは2022年7月時点で毎年の枠が40万円、毎月上限33333円を積立投資することしかできません。
例えば6月時点で20万円投資し終わっていて枠が20万円残っていても、7月に20万円を一括投資することはできません。必ず毎月33333円を上限にまでに投資しなければいけません。
月に33333円を超えて投資するには以下二つの方法があります。
- 特定口座で投資する
- 次の年に一般NISAに切り替えて投資する
特定口座
つみたてNISA口座を開設しているということは、特定口座も同時に開設していることになります。
それは証券会社でも銀行でも、どの金融機関でも同様です。
つみたてNISA口座だけを開設することは不可能です。
特定口座内では金額の上限がなく投資することが可能です。
月に5万円でも、100万円でも、1億円でも可能です。
つみたてNISAや後述する一般NISAのように開設申し込み後の初めの1月から投資可能、という縛りはなくいつでも投資可能です。まとまったお金を早期に投資に回すことができ、より多くの複利効果を得ることができます。
投資における複利というのは運用で得た収益を再投資することで、利息が利息を生んでどんどん膨らんでいく効果のことだよ。
しかし特定口座はつみたてNISAや一般NISAとは異なり課税口座となるため、売却時の利益には譲渡益税という税金が引かれてしまいます。2022年7月時点では20%の課税になります。
課税口座と聞いてよくある誤解は、売却金額全額に対して20%課税されてしまうという間違いです。
あくまで売却益に対しての税金になるため、投資元本には課税はされません。
例えば100万円投資して5%値上がった状態の105万円を売却するとしましょう。
譲渡益税20%は105万円全額にかかるわけではなく、増えた5万円にかかります。
5万円×20%=1万円が引かれて104万円が手元に残ることになります。
値上がりが無ければ譲渡益税は一切かかることはありません!
それはそれで悔しいけど・・・
このように特定口座での投資は税金がかかることもありますが、
優良なインデックスファンドに投資していれば長期的には右肩上がりの可能性が非常に高いため、早期に入金し長く投資されていればいるほどその分を享受することができます。
一般NISA口座を開設するのを数か月待つことがもったいないという考え方もできます。
NISA口座(一般NISA)
次につみたてNISA口座からNISA口座に切り替えるという方法を説明します。
NISAはつみたてNISAと区別するためによく一般NISAと呼ばれます。
つみたてNISAと一般NISAには以下の違いがあります。注意)今回の説明に必要な部分のみを記載
つみたてNISA | NISA | |
年間投資可能額 | 40万円 | 120万円 |
積立投資 | 〇 | 〇 |
スポット購入 | × | 〇 |
投資可能年数 | 20年間 | 5年間 (ロールオーバーで10年まで可能) |
一般NISAは積立ができないと誤解されがちですが、証券会社などの定期積立設定サービスを使用すれば手動で毎回購入しなくとも積立が可能です。
私の使用しているSBI証券なら毎月、毎日、日にち指定で設定することができ、自分に合った間隔で積立をすることが可能です。ネット証券の中では最大規模の口座開設数を誇りそれは大手証券会社に迫るほどです。
多くの投資家さんたちがSBI証券を選んでおり、信頼のおける証券会社だと思います。
さて、一般NISAは年間投資可能額が120万円とつみたてNISAの3倍を投資することができます。
特に積立専用という口座ではないため、前述の定期積立設定以外にも枠内であればスポットで購入が可能です。
逆を言うとつみたてNISAは積立しかできない
ただし投資可能年数についてはつみたてNISAの1/4の5年間となります。
つまりつみたてNISAは40万円×20年=800万円を非課税で運用できますが、一般NISAは120万円×5年=600万円が非課税枠となります。
200万円少ないじゃないか!!
とご指摘が入るかと思いますが、つみたてNISAは20年間×12か月=240か月に分けて少しづつ投資していくことになるので、今回のまとまったお金を投資に回すというニーズには適していません。
一般NISAはスポット購入が可能なので、合計120万円までなら一括投資することができます。
しかも特定口座とはちがい売却益に譲渡益はかかりません。非課税です。
非課税・・・なんていい響きだ・・・!
しかしつみたてNISAから一般NISAに切り替えるには12月に設定変更を申請し翌年1月から投資スタートとなるため、スポット購入したいタイミングによっては数か月タイムラグが発生する可能性があります。
つみたてNISAと一般NISAは同じ年で併用できないという決まりがあるため非課税で運用したければ次の1月を待つしかありません。
一括投資か積立投資か
特定口座と一般NISA口座のどちらであっても一括投資か積立投資かの悩みは残ります。それぞれのメリットとデメリットを説明します。
一括投資のメリット
一括投資のメリットはより多くの資金を長く運用できることです。
下記記事でも述べているように、優良なインデックスファンドに投資しているのであれば長期的に資産は右肩上がりに伸びていく可能性が高いです。
例えば100万円を一括投資してから一年間で+5%の値上りがしたとすると100万円すべてが値上がりするので105万円に増えますよね。
しかしこれを10万円ずつ10か月に分けて投資すると+5%値上がりすべてを享受できるのは最初の10万円だけで、それ以降の値上がり幅は低く105万円を下回るのは感覚的に理解できると思います。
このように、長期的に右肩上がりであることを信じるなら一括投資が合理的です。
そしてインデックス投資は基本的に長期的に右肩上がりであることを信じる投資です。
なるべく早く多くの資産を投資することが資産拡大への近道
一括投資のデメリット
デメリットは一時的に大きな値下がりを経験してしまう可能性があることです。
例えば1000万円を一括投資した後に暴落して1ヶ月後には-30%の値下がりをしたとすると700万円になります。-300万円です。
この値下がり幅に心が耐えられるか、というのが問題です。
特に投資を始めて間もない人が意気揚々と資金を増やそうと一回に大きな資金を投資した場合を考えてみましょう。
そのあとすぐに下落が起こり、元本割れの状態が数か月続いてしまった場合は自分の投資を疑ってしまうかもしれませんね?商品を変えようとか、挙句の果てには投資を辞めてしまおうとか考えてしまう可能性もあります。
そうでなくても心穏やかではいられなく、仕事中も遊び中も投資のことが頭から離れなくなって実生活に影響が出かねません。なんで一括投資してしまったのだろうと、自己嫌悪に陥るかもしれません。
投資に慣れていないうちに大きな資金を動かしてしまうと、合理的であった一括投資がうまくいかなくなってしまうのですね。
一方積立投資の場合、100万円ずつ10か月に分けて投資しようとした1か月目に-30%の値下がりをしても70万円の-30万円の値下がりで済みます。
合理的なことと、人間が合理的に行動できるかは別問題なんだよね
投資は精神との戦いでもあるのです。
積立投資のメリット
基本的に一括投資の裏返しです。
メリットは比較的下落に心が耐えやすいことですね。
一括投資が合理的ではあるのですが、続けられなければ意味はありません。
私は投資・・・ことインデックス投資においては続けることこそ成功するために一番大事な要素だと考えています。
第一に続けることを考えるのであれば、どんっ!と一括投資をするのではなく、少しづつ積み立て投資をすることをお勧めします。
キンチラもボーナスは分割して投資しているよ。
今回のテーマのまとまったお金についてはいつもの積み立て金額に上乗せする形で徐々に移していけばよいと考えます。
毎月3万円なら、5万円、もっと頑張って10万円を積立額に設定する、といった形ですね。
積立投資のデメリット
デメリットは、資産値上がりの機会損失があることです。
手元に投資できる余裕資金がある状態なのに積み立て投資しているということは、仮に資産が上昇していたとしたら一括投資していれば得られた資産の上昇を逃していることになります。
短期的な話に聞こえるかもしれませんが、長期的に右肩上がりであることを信じるのですから結局は機会損失を受け入れたことになります。
逆に下落時には助かるのだから、一長一短だね
積立投資は良くも悪くも気休め、でもおススメ
サラリーマンとしての立場で話しますが、給料からの投資なら給料日にならないと投資ができないのでそもそも積立投資しか選択できません。
しかしボーナスなどのまとまったお金ができたときは別です。
一括投資するか分割して積立にするかは選択することができます。
前述の通り私は下落しても投資を続けるために積立投資にするのをおススメします。
金額が大きいためいつも以上にケアする必要がありますからね。
積立でも長期的に資産が増えていくことは大きく期待できます!
それまで投資を辞めないことを第一に考えることをおススメします!!
ただしそれは合理的ではなく機会損失があることを理解しておきましょう。
積立投資はいい意味でも悪い意味でも気休めなのです。
同じ投資商品なら一括投資を選択できる胆力のある人には長期的に勝つことはできませんからね。※優良投資信託に限る。