先日勤務先の社長から全社員にかなり衝撃的な勧告がなされました。
利益が出ていても賞与、ボーナスは無し。
これを聞いてつくづく思うのです。
ボーナスなんてものを当てにしていたら破綻する。
今回は実体験から皆様に注意喚起をしたく記事を起こさせていただきます。
ボーナス0円勧告の内容とは
実はボーナス0円だと勧告されたと言っても直ちに0円になるわけではありません。
利益がある一定基準を下回ると0円になるぞ、という突然の発表をされたのです。
利益が少なくなったらボーナスがないなんて当たり前だろう。
そう思う人が大半かもしれませんが・・・この「ある一定基準」が高すぎるのです。
詳細は伏せますが、この基準を下回っていてもまとまったボーナスをいただけていた時期が幾度とあります。
つまりは基準を下回っていてもボーナスを出せるくらいの体力はあるはずだということです。
会社経営には疎いのですが、一内部社員としては単純にそう思うのです。
それが突然の0円勧告。何か裏があるとさえ感じます。
注意喚起1 : 賞与は信頼のできない収入
よくサラリーマンのメリットとして「安定収入」ということが言われていますが、それは給与に限ってのことです。
給与に対し賞与、俗にいうボーナスは安定とはかけ離れた収入になります。
いくら自分が頑張っても会社の業績が悪ければ金額は小さくされますし、会社側からすれば0円に設定しても制度的には問題ないのです。
あまりにも低くしすぎると今度は社員が離れていき会社運営が成り立たなくなりますから、現実的にはそこはバランスを考えて設定をされるものと思います。
しかし少なくとも金額の大小はありますし、毎年どのくらい貰えるかなんて一社員にとっては予測はできないのです。
ボーナスを当てにして家計を組んでいてはいざボーナスカットされたときに問題ないと思っていたその家計が一気に破綻に追い込まれる可能性があります。
私のボーナスへの考え方は以前にも語っていますので、本記事の後に下記記事もぜひ参照してください。
ボーナスは完全に「あぶく銭」。私はこれをキーワードとしています。
注意喚起2 : サラリーマンは収入をコントロールできない
何を当たり前のことを。と思われるかもしれません。
サラリーマンはいくら給料を上げてくれと訴えてもそれを決める上層部まで声が届く可能性はかなり低いです。
労働組合?春闘?秋闘?
そんなものはほぼ機能していないと思った方がよいでしょう。結局は会社の方が力が強いんです。
ストライキ?
そんなことをすれば益々会社の業績が悪くなり自分の首を絞めるだけです。
日本の現状の制度上労働組合の機能は形骸化しているのです。
話を戻しますが、この収入をコントロールできないというのは単に「給料を自分で決めることができない」という意味ではないのです。
あえてネガティブ方向だけに考えれば、「収入を大幅カットされてもそれを受け入れるしかないちっぽけな存在だ」ということが言えます。
そしてそれは業績が悪くなったらボーナスをカットされる・・・ということに留まらず、もちろん給与カットやリストラまで踏み込まれるかもしれませんし、
経営者の意向で自由に報酬制度を変更させられる懸念があることも忘れてはいけません。
報酬テーブルが変わる、役職手当がなくなる、等級制度自体が整理される等など・・・
今回私が受けたのがボーナス支給有無の基準を新たに設けるという制度変更でした。
もはやこれも有無を言わさず即時適用となるでしょう。労働組合の機能がもはやないのですから、社長が言えばそれはもう確定です。
このようなことを肝に銘じて、次項に続きます。
注意喚起3 : ボーナスを家計に組み入れてはならない
上記2項まででいかにボーナスという収入が安定しないか、収入源を甘んじて受け入れざるを得ないかが伝わったと思います。
そのうえでこの不安定収入「ボーナス」を家計運営上の予算として組み入れていては突然お金のやりくりが立ち行かなくなる可能性があります。
私は今回のボーナス0円勧告で改めてこのリスクの重大さを認識させられました。
私が提示された「ある一定の基準」は会社自体の運営に関わらず、少し世界情勢が傾いただけで下回ってしまう基準に思えます。
正直ここ数年のボーナス支給があり、これがしばらくは続くだろう、少なくともFIRE目標金額に達するまでは続くだろうと甘い考えでいたことに気づかされました。
今回の勧告でもはや1年後にボーナス0円となっている可能性すらあります。むしろ確率は高めかもしれません。
ただそれでも私がいま冷静にこんな記事を書けているのは、ボーナスを全く当てにせず毎月の給与手取りだけで家計が十分回るように構築していたためです。
しかも手取りをすべて生活費として使い切る自転車操業ではなく、FIREを目指せるだけの貯蓄を含めて構築しています。
貯蓄はボーナスだけではなく、しっかりと毎月の手取りから工面できるようにしているのです。
いきなり「今年からボーナス0ね」と言われても家計運営上は問題ない状態です。
まぁ、FIRE計画の遅延が起こることは残念ですが、この家計構築はFIREを目指していたからこその強みでもあるのでいざというときは過去の自分に感謝ですね。
FIREを目指すということはFIREできるといったこと以前にこういうメリットがあるのです。
皆様は毎月の家計の赤字をボーナスで補填していたりはしませんか?
マイホームローンをボーナスが入る見込みで組んでいたりはしませんか?組もうとしていませんか?
今はそれでうまく回っているかもしれません。
しかしそれがいかにリスクをはらんでいる状態であるかを認識していただければ幸いです。
うまく回っているように見えるだけです。
ボーナスは基本的に貯金一択
上記まで述べたボーナスの性質上、ボーナスは全額貯金一択になります。
家計や計画的なローン返済の当てにできないのですから、一旦は貯金口座にプールされるはずです。
私はすぐに投資信託を購入するため証券口座に入金していますが。
じゃあボーナスは何に使っていいんだよ!!こちとらお前みたいにFIREなんか目指してないんだよ、この貯金バカが!!!
もしかするとこうお叱りを受けるかもしれません・・・(貯金バカであることは認めます)
しかし全額貯金しろと言っても使うなと言っているわけではないのです。
貯めてから使いましょう。と伝えたいのです。
お金が貯まったからこれを買おう、あそこに行こう、あれをしよう、こんなものを作ってみよう。ローン繰り上げ返済をしよう。そう意識していただきたいのです。
借り入れをしてそれよりさらに儲けを出そうという投資家や経営者気質な方は除いて、我々一般サラリーマンは基本的にお金が存在してから初めて何か買う、という意識でいているくらいがちょうどよいのです。
多額のものをローンで購入検討することもあるでしょうが、一般的に考えられるものとしては車とマイホームでしょうか。
車に関しては確かに新車で数百万円と高額な買い物となりますが、それすらお金がたまってからでよいと考えています。
金利を追加で払ってまで買うことはないと思います。どうしてもすぐに車という機能が必要なら数十万円~百万円の中古車を検討してください。
残りはマイホームですが、確かに現状の制度だと10年以上のローンを組めば住宅ローン減税が受けられるため選択の余地が入ってきます。
というよりマイホームという数千万円単位の買い物だとサラリーマンではローン以外の選択肢はほぼないかもしれません。
ただそれでも、ボーナスを当てにしたローン借入額や返済計画を組むことはおススメできません。
理由は前述の通り、ボーナスは信頼のできない家計に組み入れてはならない収入だからです。
そうなると自ずとボーナスを含めない低い水準でマイホーム検討をすることになります。
自分の望む機能がすべて含まれたマイホームから何点か妥協せざるを得なくなるでしょう。
でもそれがその時の自分自身の水準なのです。立ち位置なのです。
できるだけ望みをかなえるにはお金を現実のものにしてから(=貯めてから)改めて検討しましょう。
もしあなたが全く貯金がない状況であるなら、ありがたくいただくことができたボーナスをすぐ何かに使うことはせず、まずは絶対に手を付けない生活防衛資金として貯金口座に置いておきましょう。
この先ボーナス0円が現実のものとなった際は、冷静に毎月の資産公開か新たに記事を上げたいと思います。お楽しみ。(!?)