私の投資スタイルは「フルインベストメント」寄りと言ってもよいです。
遊んでいる現金を必要以上に保有せずできるだけ投資に回すというスタイルです。
リスク調節には主力の株式以外にローリスクの債券を取り入れて値動きをマイルドにすることで長期投資を続けやすくしています。
それに対を成す(?)ように存在しているのが「オルカンと現金」スタイルです。
オルカンとは?
オルカンというのは「オールカントリー」の略で、もっぱら全世界株式型の投資信託のことを指します。
有名どころでいうと三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ですかね。
全世界の時価総額に併せた割合で各国の株式へまるっと投資できる超人気投資信託です。
投資信託の規模を表す純資産額は驚異の14,705.83億円(2023年10月6日時点)です。
※参考に私のメイン投信のeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は2,171.91億円です。
株式100%でありハイリスクハイリターンの商品と言えます。
しかし巷では長期投資の最適解と言われ多くの方が購入しています。
構成銘柄の60%を占めている米国株式は過去20年から現在に至るまで他国・他資産をアウトパフォームしており、
これを保有しているだけで資産は間違いなく増えていくと思われているわけです。
オルカンと現金スタイルの思想
純資産額に表れているようにこれだけ投資家に支持を得ているオルカンですが、
株式100%でハイリスクハイリターンであることもあり保有資産全体のリスクを下げるために現金を保有しておこうというのが「オルカンと現金」スタイルです。
株式と債券は相関が大きく投資妙味がない
リスクを下げるには(あくまで伝統的に)株式とは逆の値動きをすると言われている債券を取り入れることがセオリーとされていますが、「オルカンと現金」スタイルはこれを否定しています。
なぜなら近年を見ると「株式と債券は逆の値動きをする」というのが当てはまらない値動きになっているからです。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の相関係数の表を以下に拝借します。
相関係数1.00は全く同じ値動き、-1.00なら全く逆の値動きをすることになります。
これをみると国内債券と国内株式は-0.158と、逆相関ではあるものの全く逆の-1.00には程遠く「値動きに相関はない」レベルにとどまります。
外国株式に対しては0.290とむしろ相関はプラス方向、外国債券と外国株式に至っては0.585と強い相関を持つこととなっています。
債券に株式と逆の値動きすることだけを期待するのであれば、あまり取り入れる気にはならないのかもしれません。
株式が下落した時に債券も下落するのなら分散にはならないという思想ですね。
分散にならないは言い過ぎな気がしますが、ローリスク・ローリターン資産の債券を値動きの抑制(リスクの低減)だけに取り入れるのは妙味がないという思想ではあると思います。
株式との逆相関どころか正相関さえ持つ債券を、小さいとはいえリスクを取ってまで取り入れる必要はない。というところでしょうか。
債券部分を現金で保有しておいたほうが値下がりリスクがない分良いじゃないか、という。
現金の機動力を生かせる
現金は最強の高い流動性を持つ資産です。何かあればすぐに出動し対応が可能です。
「何か」というのは人生における有事の際というのもありますが、
オルカンが値下がった際に(安く買えるから)さらにオルカンに入金したり、逆に値上がったオルカンを利益確定して現金確保するといった使い方が可能です。
ポートフォリオの中でいつの間にか拡大した株式部分を小さくできたり、逆に縮小した株式を大きくするといったリバランスをオルカンと現金のバランスを整えることで行うという考え方です。
安く買って高く売る。これを機動的に行えば利益は効率的に拡大していきます。
※リバランスが利益拡大に寄与するというのはこれが理由
このリバランスを株式+債券の投資家はもちろん株式と債券間で行いますが、前述のように株式と同じように債券が値下がってしまえば、値下がった資産を売るといった逆の行動をすることとなり、投資家心理的に抵抗感が生まれてしまいます。
現金は値下がりしませんよね。
オルカンが大きく落ち込んだ時に想定していたバランス調整以上の現金を投入することも可能です。
債券だと同じように値下がっているとすれば、現金確保スタイルよりもオルカンへ投入する資金が限定されてしまうこともデメリットでしょう。
このように現金を持っておけば有事の際に対応できますし、投資成績の拡大にも寄与できるという機動性をより確保できるといった思想で、「オルカンと現金」スタイルは支持されているものと思います。
オルカンと現金スタイルに潜む危険な思想
本題です。
説明してきた通り理にかなったような「オルカンと現金」スタイルですが、私は長期投資を続けるうえで危険な思想が潜んでいると考えています。
実は現金は値下がりする資産
思想とはまた異なりますがこの後の項目の前提として・・・
ここまで現金は価値が変わらないといった伝わり方で述べてしまいましたが、
現金の価値は下がることもあります。
いやむしろ現金の価値は下がる一方です。
その理由は経済は「インフレ」するのが健全とされているからです。
インフレ状態になるとどうなるかというと、
例えば今まで100円で買えていたリンゴがあったとして、その後1%のインフレが起きて同じようにリンゴが1%値上がりすると101円になります。
このインフレの間、保有している100円は100円のままです。この100円ではもうリンゴは買えなくなりました。
つまり100円という額面は変わらないけど、100円の価値が下がったということになるのです。
経済の基本なのでおさらいになってしまった方にはすみません(笑)
一方債券はそれ相応の利回りがつくために現金よりもインフレ対応が可能な資産です。
というより現金がインフレに対して無防備な資産なのです。
将来資産額が増えていくオルカンとのリバランスができるほどの現金を保有しておくというのは、資産が拡大していくほどインフレに対して弱い状態を作ってしまうことになります。
それに対して「フルインベストメント」スタイルの投資家というのは価値が下がる一方の現金をなるべく早くインフレに強い資産に投入するという思想を持っています。
どちらがいいかは人それぞれになりますが、基本的に現金の価値は下がる一方だということを理解して現金保有を続ける必要があります。
いつまでオルカンとのバランスを取れる現金を保有するのか?
リスク調整に現金を保有するというのであれば、例えば50:50で現金を保有するということならそれはいつまでそのバランスを保つのか考えていないように思えます。
オルカンは今後どんどん値上がりして価値が拡大していくことが考えられます。
「オルカンと現金」スタイルはそれにいつまで付き合うのかといったことが考えられていない思想に思えます。
まだオルカン評価額が100万円の内はよいでしょう。50:50なら同じように100万円の現金を確保すればよいのです。
しかし1000万円、2000万円、5000万円、極端ですが1億円とオルカン評価額が拡大していった時も、同じように1000万円、2000万円、5000万円、1億円と現金を確保するのでしょうか?
おそらくそれは現実的ではない人が大部分でしょうし、現実にできたとしてもきっとオルカンの方に資産が偏る(多く投資したくなる)ことでしょう。
別にその資産状態自体はよいです。
50:50でなくてもオルカンは問題なく運用されていきますし、手元に残る現金がオルカン2000万円に対し1000万円でも別に問題ないと思います。
それより気にしたいのは当初決めたバランスで運用していないことが果たしていいことなのか?ということです。
オルカンと現金のバランスを決めた当初は自分のリスク許容度を考えて決めたはずです。
それを崩すということはいいことなのでしょうか?
いいことではない、と言いたいところですが、実は投資期間が長期になるにつれてオルカンの方が割合が大きくなることは自然なことです。
株式はどんどん価値を高めていき、複利でもどんどん資産は増えていきます。
絶対はないですが可能性は高いです
インフレすれば企業の利益も拡大するので株価の上昇にも寄与します。株式がインフレに強いというのはこのことです。
一方で現金はインフレで価値が下がるだけです。銀行の現金預金だけでは増え方も雀の涙を何分割もした方のように微小なものです。
なので、
そもそもオルカンと現金を決まった割合で保有し続けるという思想そのものが成立しないのです。
じゃあなぜあえてこれを危険な思想と表現したかというと、
愚直に割合を守れば大きな現金が常にインフレにさらされることになりますし、
当初決めたバランスから徐々にオルカンの割合を増やすなら、それは何かのルールに従って行わなければいつの間にかリスク許容度を超えていたといったことになりかねないからです。
なんとなく現金を持ちすぎだと思って、なんとなくオルカンに突っ込むと、いざオルカンが大きく値下がりした時に大きな値下がり幅に心が耐えられなくなり、
当初のバランスに戻すために値下がったオルカンを売却・・・
なんてことになる可能性があります。
これが株式+債券のフルインベストメントスタイルなら、愚直に同じ割合で積立し、定期的にリバランスするだけでよいです。
現金を割合の考えに持ち出すと面倒なのです。
厄介なルール(いつどの程度現金割合を減らすのか)を作らないと危険です。
そしてその厄介なルールを作りますか、作れますか、作っても自信をもって運用できますか、といった問題も出てきます。
長期投資は自分で納得できる思想を持っていなければいずれどこかでブレてしまいます。
ブレた先は狼狽売り、もう投資なんてこりごりと退場・・・です。
投機的行動をしてしまう危険
現金は最強の高い流動性を持つ資産と言いましたが、この性質が投資行動を狂わす危険もはらんでいます。
それは安いと思ったときに購入し、高いと思ったときに売却することができてしまうためです。
安く買って高く売ることの何が危険なんだ。と思った方もいるでしょう。
危険な理由は安い・高いと「思ったとき」に購入していることです。
そもそもインデックス投資を選択する人は相場観が読めないからインデックス投資をするのです。
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そんな人が安い・高いを判断しても本当に安いのか高いのか分かりませんよね?
オルカンが大きく下落したから安いと思って多く現金を投入したら実はそれはその後に続く暴落の始めの方だった。
ここが今の天井だと思い利益確定したらその後どんどん株価が上がっていった。
そんなことは投資においてはあるある中のあるあるです。
インデックス投資家は何が起こるかわからないから購入したものは持ち続ける、定期的に同じ額を積み立てる。
それで十二分に人生を支えてくれるだけの、または豊かにしてくれるだけの資産形成をすることができる。
このような思想であるべきです。
しかし起動力のある現金を変に多く持つと
ここで投入すれば大きく利益をのばすことができるかも
だったり、
出来もしない考えを持ち出して
ここで利益確定して次下がったらまた投入しよう
などと欲をかいてしまう危険があります。
なぜ自分がオルカンという株式の詰め合わせパック投信を積立投資しているか考えてみてください。
投機的行動ができる自信があるならやらないはずです。
いつまでも現金を投資出来ない危険
繰り返しのようになりますがインデックス投資家は投資タイミングが読めないのです。
前述までの通り、変なタイミングで投資へ入金してしまうことも危険ですが、
いつまでたっても勇気が出せず現金のまま保有してしまう危険もあります。
オルカンとのバランスを守ったけど増えてしまった現金をいつどれくら投資すればいいか判断ができない・・
そうやって投資出来ないうちにどんどんオルカンの基準価格が上がっていく・・・(おなじ金額で購入できる口数が減る)
それだけでなく仮に投資出来ていた場合の値上がり益を享受できない、その後の複利を享受できない。
例えば100万円の資金を投資するタイミングが1年遅ければ、年利回り5%だとして30年後(つまり投資期間30年と29年の差)は20万円以上の利益の差がつくことになります。
1年遅いだけで20万円です。定年退職後に贅沢な旅行ができてしまう金額です。
金額が小さいうちは愚直にオルカンと現金割合を守ることは可能ですが、上記100万円だったとしても長期間運用すれば少しの投資遅れでもまとまった利益損失となりかねません。
大事なのはオルカンと現金のバランスを守ることではなく、リスク許容度の範囲内で投資を行うことです。
範囲内でできるだけ現金を投資に回せばよいのです。
リスク許容度が許せばオルカンにフルインベストメントでもいいですし、私のように債券も織り交ぜたフルインベストメント型でもよいのです。
もしリスク許容度が許さなければ、確保していれば問題ないと思う現金を必要分残しておけばよいのです。
必要な現金は必要分保有していれば問題ない
ここまで意外と長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
SNSでは簡単に
オルカンと現金を50:50でもっておけば間違いない!
と発言する人が多いです。
しかしその思想は色々な危険がはらんでいることをお伝え出来たと思います。
あくまで私の考えにすぎませんが一部でも何か心に残ってくれればと思います。
本ブログで一貫として言っていることは、長期投資で一番大事なことは続けることということです。
そのためにはあらゆる危険を回避しなければなりません。
株式100%はリスク許容度超えているかもしれないから分散だ、
とか、
投機的行動をしないように余剰資金が生まれたときにだけ投資を行うルールにする、
とか、
リバランスのために売却タイミングが分からないからそもそもバランス型を買う
とか、
色々事前に対策を講じることは可能です。
今回は現金について着目しましたが、私はフルインベストメントといっても生活防衛資金や直近数年間で使用予定のある資金は現金で保有しています。
これらは絶対に投資に回ることのないという位置づけの資金です。
これらがあれば生活が破綻することがないので安心して投資を行うことができます。
FIREを目指せるだけの毎月の投資入金額を確保していることも大きいです。
いざとなれば入金額を落として生活資金に回すことも可能です。
極論、常に必要な現金は必要なだけ確保できていれば問題がないのです。
変にリスク調整のために現金割合を固定すると前述の通り面倒ではないですか?
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※2.2023年3月期上半期(2022年4月〜2022年9月)の委託個人売買代金シェアです。SBIの数値は、SBIネオトレード証券の数値を含みます。
(出所: 東証統計資料、 各社WEBサイトの公表資料より当社集計、各社委託個人 (信用) 売買代金÷株式委
託個人 (信用) 売買代金 (二市場 1,2部等) + ETF/REIT売買代金} にて算出)
※3.比較対象範囲は、 口座開設数上位のネット証券5社 (SB証券、 auカブコム証券、 松井証券、 マネックス証券、
楽天証券 (カナ順) ) です。 (2022/12/16時点各社公表資料等よりSB証券調べ)
※4.現物取引・信用取引(制度・一般)の合計
クレカ積立ポイント
インデックス投資を実践中の私のいちおしポイントは、
まずは何と言ってもクレジットカード積立によるポイント還元です!!
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貯まったポイントは投資信託の買い付けにも使用できるので、実質利回り5%アップとなります。
年会費無料のクレジットカードでも積立金額の1%のポイント還元が可能なので、年会費を払いたくない方も漏れなくクレカ積立によるポイントをもらえます。
投信マイレージ
SBI証券は投資信託買い付け時だけではなく、保有時にもポイントが付与される投信マイレージという制度があります。
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投資信託を買って積み立てておくだけでまとまった金額が振り込まれる感覚です。
もちろんこのポイントはクレカ積立と同種のポイントとなりますので投資信託の買い付けに使用が可能です。
信頼と実績のある環境でお得に資産形成が継続できるのがSBI証券です。
クレカ積立ポイント重視”マネックス証券”
マネックス証券はSBI証券と比べてしまうとユーザー数は少ないのですが、それでも有名ネット証券を挙げるとすれば必ず名前が挙がるほどの大手証券会社です。
私が推奨する理由としては年会費無料クレカによる投信積立でのポイント還元が主要ネット証券で最大の1.1%であることにあります!!
※SBI証券は年会費無料クレカでは最大1.0%
またマネックス証券にも投信保有ポイント制度がありSBI証券にも見劣りしないサービスを展開中です。
むしろクレカ積立ポイントにおいては一歩先を行っています!
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