投資と聞くと、
✅ 数字を追って、
✅ 状況を分析して、
✅ 理論的に判断していく──
そんな“賢く動く世界”をイメージする人も多いと思います。
確かに、短期トレードではその通り。状況に応じた柔軟な判断や計算力が重要になる場面も多くあります。
しかし、長期投資――特にインデックス投資――においては、その理屈だけでは乗り切れない局面が必ず訪れます。
✅ 含み損が増えたとき
✅ 市場が急落したとき
✅ 他の投資家が大きく儲けているのを見たとき
こうした場面で「冷静さ」を保てるかどうか。
それが、長期投資の結果を大きく左右します。
つまり、**インデックス長期投資は「感情勝負」**でもあるのです。
長期投資で一番大事なこと

長期投資とは、その名の通り長い時間をかけて資産を育てていく投資スタイルです。
「長期」であることを前提とするからこそ、個人投資家でも採用しやすい、シンプルな手法が成り立ちます。
✅ インデックスファンドで投資信託を買えばOK
✅ 一時的に含み損が出ても気にせず持ち続ければいい
✅ 基本的には“ほったらかし”でも大丈夫
…と、やることはとても少なく感じますが、
この戦略が機能するのにはひとつ重要な前提があります。
「長く続ける」ことが何よりも重要
多くの統計データや過去の運用実績から考えても、
インデックス投資がほぼ確実に成果を出すには最低でも15年程度の保有期間が必要とされています(※諸説あり)。
なぜなら、長期投資というのは…
✅ **短期的な価格変動(上下のブレ)**を受け止めながら 長期で見たときの右肩上がりに期待するスタイルだからです。
つまり、一時的な下落で不安になって売ってしまうと、
「本来得られるはずだった成果」から自ら脱落してしまうリスクが高まります。
続けなければ意味がない
どれだけ優れたインデックスファンドを選んでいても、
⚠️ 売ってしまったら意味がない
⚠️ 積立をやめてしまったら成果に届かない
シンプルな戦略だからこそ、続けるかどうかがすべてになります。
10年以上にわたって積み立てを続け、保有し続けること。
それができるかどうかが、長期投資の成功と失敗を分ける最大のポイントなのです。

ほったらかしって言っても、“持ち続ける”っていう覚悟が必要なんだね!
理屈はわかっていても難しい

「なるほど、何があってもやめなければいいんですね」
「売らずに買い続ければいいだけの簡単なことだ!」
たしかに、積み立ての仕組みは今の時代かなり整っています。
各証券会社の定期購入サービスを使えば、一度設定するだけで自動的に積み立てが可能です。
でも——
「売らずに買い続ける」って、口で言うほど簡単なことではありません。
長期投資の理屈はシンプルです。
長期的に右肩上がりが見込まれる投資商品(主にインデックス投資信託)を買い続ければ、
短期的にはブレながらも最終的に利益が期待できるという考え方。
でも、実際にそれをやり抜くのはとても難しいのです。
「長期」が一番の敵になることもある
なぜ難しいのか?
その理由は、味方に思えた**「長期」そのものが、最大の壁**になるからです。
15年(※諸説あり)という最低ラインのあいだに、
✅ 市場は何度も暴落と回復を繰り返し
✅ 人生のライフステージも大きく変わっていく
例えば今20代・30代なら、これから先の20年30年に何があるかわかりません。
結婚・出産・住宅購入・転職・介護…
資産形成のモチベーションや使い道が変わることもあるでしょう。
「ずっと続けられるだろう」という思い込みこそが落とし穴です。
長期を軽く考えていると、目標達成の前に心が折れたり、資金が必要になったりして脱落する可能性が十分あります。

“長期”って聞こえは簡単だけど、ずーっと投資し続ける人生そのものを想像しておかないとね!
長期投資を阻む感情

長期投資を続けるには、「感情」との付き合い方が重要です。
✅ 事前にどんな感情が邪魔をするかを知っておけば、いざというときに冷静に対処しやすくなります。
ここでは、長期投資の継続を阻む3つの感情とその背景について解説します。
予想以上の値動きにハラハラする
長期投資中に最も多くの人が直面するのが、「値動きへの不安」です。
投資信託の基準価額は毎日更新され、資産残高は上がったり下がったりを繰り返します。
とくに下落相場では連日マイナスが続くため、ついつい気にしてしまうもの。
⚠️ 「リスクは理解しているつもりだった」
⚠️ 「長期なら大丈夫と分かっていた」
それでも予想以上に動く相場には、思った以上にメンタルを削られます。
投資の世界では金額より「割合」でリスクを見ることが多いですが、実際の金額になると話は別です。
たとえば──
- 投資額が100万円 → 1日 -3% で 3万円の下落
- 投資額が5,000万円 → 同じ -3% で 150万円の下落
同じ3%でも、資産が増えるほど金額のインパクトは強烈になります。
📉 下落相場では「-3% → +2% → -2% → +1% → -3%…」と
徐々に減っていくこともあり、精神的にこたえます。

耐えられない人は…そうなる前にそっと脱落してるかもね
そうした状況でも、「過去のデータでは回復してきた」と自分に言い聞かせることができます。
でも──
- 「今回はあの時と違うかもしれない」
- 「今ならまだ損は小さい…損切りすべき?」
- 「一旦やめて、上がってから再開すればよくない?」
…と、投資開始時にはなかった考えが湧いてきます。

3つ目の“上がってから再開”は、だいたいタイミング外すからね〜
さらに年齢や家族構成の変化など、ライフスタイルも影響してきます。
- 「子どもの教育費が…損してる状態ではやめられない」
- 「家を買って現金が減ったばかりなのに、この暴落…」
投資が生活を圧迫する存在に変わると、冷静でいられなくなるものです。
そうしたプレッシャーの中で、
「もう投資なんてたくさんだ!!」と感情的に投げ売りしてしまう人も少なくありません。
利益が出なくてイライラする
長期投資では「ボックス相場(行ったり来たりの停滞相場)」に直面することもあります。
この期間は年利回りどころか、数年間ほぼ横ばいということも。
- 「損はしてないけど、全然増えてない…」
- 「リスク取ってるのに、なぜ?」
…と、徐々に疑念が生まれてきます。
そんなとき、SNSや投資系メディアでは
他の手法で稼いでいる人の成功例が目に入りやすくなります。
⚠️ 同じ市場でも、アクティブ運用や短期売買で利益を上げている人がいる
⚠️ それを見て「自分のやり方が間違っているのでは」と感じる
でも、長期インデックス投資では**「増えない時期」も織り込み済み**です。
浮き沈みを経て、最終的に上昇相場に乗ることでトータルで利益が出る仕組みなので、
短期的な成果に一喜一憂せずに耐える力が求められます。

“投資してるのに増えない”っていうの、地味にメンタル削られるよね…
もちろん、いつ上昇相場が来るかは誰にもわかりません。
数年後かもしれないし、数十年後かもしれない。
あるいは、ボックス相場の後にさらに下落する可能性だってあります。
もっと利益を出したいと欲張る
インデックス投資は年利3〜7%を狙う堅実な投資手法です。
本来、それで十分と判断した人が選ぶ手段のはず。

そもそも、どれくらい増えるのか把握せず始めた人はキケンだよ!
ただ、想定した年利に届かない期間が続くと…
- 「もっと増やさなきゃ将来が不安…」
- 「リターンが物足りない…」
という感情が出てきます。
そこで一部の人は──
⚠️ より高リターンを狙って株式比率を上げる
⚠️ リスクをとりすぎた結果、暴落で心が折れる
⚠️ ついに個別株に手を出し、逆に資産を減らす
…というルートに進んでしまうのです。
インデックス投資と違って、個別株は
- 分散しづらい
- 最悪0になることもある
- 売買の判断が難しい
といったハイリスクな特性があります。

インデックス投資を個別株で再現しようとしたら、数億円単位の資金が必要になるよ!
投資対象を変えると、判断の難しさも増え、日常が投資に支配されるようになります。
本来「ほったらかし」でよかったはずの投資が、いつの間にか「日々の重荷」に。
欲張りな感情こそが、長期インデックス投資の一番の敵になることもあるのです。
前項までで述べたように数年間投資を続けているのに想定した利回りに到底達していない状態があり得ます。
長期投資は何よりも続けることを第一に考えよう

今回は長期投資を阻む感情を3つほど挙げさせていただきました。
投資は長い道のりです。今は設定したリスクで何となく大丈夫だと思っていても、将来起こる様々な事情でそれが崩れる可能性があります。しかし、そうなる前に対策は可能です。
✅ 欲しいリターン以上を得るために必要以上のリスクを取らない
✅ 投資する金額を小さくしておく
こういう状態になったらこういう感情に陥るかもしれない、ということを事前に知っておくことで、いざとなったときに冷静に対処できる、ということの気づきにこの記事が役立てば幸いです。
本ブログでは何度も言っているのですが、長期投資は続けることが何より大事です。
✅「自分は若いからリスクを大きくとっても大丈夫」と何となくの理由で芳しくない相場を迎える前に、そのための対策を考えておくことも大事。
✅ 考えた末にリスクを据え置きと判断したとしても、それはそれで良い。
✅ いざとなったときにでも「あの時しっかり考えてこうしたんだ」と自分の判断に自信を持てる。
それも長期投資を続けるための良い要素となっているからです。

冷静に行動していれば、どんな相場でも乗り越えられるよ!