今すぐに大金を得たい。
よっぽどのもの好きでない限りそう考えるのではないでしょうか。
宝くじで3億円が当たったら、起業が成功したら、投資の神様ウォーレンバフェットのように年率20%で投資が上手くいったら・・・
ちなみに年率20%は仮に投資資金がつみたてNISAの月額投資上限33,333円程度だとして20年間運用すると8200万円以上を築くことができる数値です。
大学新卒22歳でこれを始めたとすると42歳で8200万円を手にすることになります。
経済的自由を獲得して会社を早期退職しようというFIREも、42歳にして十分検討できるレベルです。
経済的自由というのは投資による収益が生活費を上回る状態のことを指すよ。
自分は働かずして生きていける状態のこと。
しかしながらこれらを実現することは簡単なことではないということは感覚的に全員が思うことかと思われます。
実際に簡単ではないです。
簡単ではないですし、大きなリターンを得ようとするにはそれ相応のリスクというものが伴います。
だからこそインデックス投資というものが流行っているのだと思います。
インデックス投資とは一つ一つの株を選んで購入する個別株投資とは異なり、多種多様な国や企業を指数(インデックス)に従い購入する投資手法です。
私は投資というとこのインデックス投資しか実施していません。
指数の有名どころでは米国のS&P500という指数ですが、これは米国の主要500社からなる株価の加重平均値を取ったものになります。
一つの企業の業績やその市場の風潮によって株価が大きく上下してしまう(リスクが大きい)投資手法よりも、広く分散(S&P500は500社に投資)してリスクを下げつつリターンを得ようというのがインデックス投資です。
しかしその分個別株投資よりもリターンが大きく下がってしまいます。
成績が良いものも悪いものもまとめて購入するからね。
ただ多くの人が個別株投資よりインデックス投資を選択する理由は、高い再現性で一定のリターン(3~7%)を狙えるということにあります。
株価が伸びるであろう企業を探し、分析し、1社に多くの資金を投じる。
これはなかなか個人では難しいことですし、勉強したとしても正解を引き当てるかは不確実なことかと思います。(再現性がないということ)
個別株に限らずビットコインなどの投機性が高い商品で一発当てたり、大きく財を成すという観点では自ら起業して大きく稼ぎ出したりも考えられますが、
これらも過去の成功者と同じ行動をしようとしても不可能という再現性の低さがあります。
一攫千金なんてものは再現性が低いのです。
本題はここから
さて、ようやくタイトルに触れますが、ここで出てくるのが、
そんな一攫千金を狙おうなんて無謀なことしないでインデックス投資しなよ・・・
と実際に狙おうとしている人に対しての諭しなのか冷笑か嘲笑のような考えや発言をする人です。
この一攫千金を嘲笑う風潮はよくSNSにて散見されます。
よくある内容は本人がインデックス投資家でありリアルな人間関係で投資の話になった際の会話の流れを発信するものですが、こんな感じです。
友人「投資していると前言ってた気がするけど、どんな投資でどのくらいの儲けが出るものなの?」
私「インデックス投資と呼ばれているもので、大体年率〇%くらいの利益が出ると言われているよ」
友人「年に〇%?それじゃあ△△万円投資していても1年で××円しか儲けられないじゃん。俺はそんなちまちま増やすよりでっかく稼ぎたいんだ」
私「へぇ~そうなんだ・・・頑張ってね^^」
なんとなく心の内で友人を嘲笑っていることが分かるでしょうか。
私には明らかに再現性の低い一攫千金を夢見る友人に対し、
再現性高くお金を増やせるインデックス投資家の自分が優位に立って受け答え、
それを発信することでみんなで冷笑したいという意図にしか見えません。
本当にこの類の発信は投資界隈のSNSでは定期的に散見されます。
確かに一攫千金は再現性が低く他人に対して到底おススメはできる方法ではありません。
なぜならそれ相応の大きなリスクを負うことになるからです。
一度失敗すれば多額のお金を失う可能性もあります。
インデックス投資を大人しくやりましょう、と言いたくなるのも分かります。
年率数%と言えど複利の力によって数千万円~数億円の資産を築くことは可能(ただし数十年の長期間が必要)なので資産形成としては十分パワーのある投資手法でもあります。
そんな夢を見ずに堅実にインデックス投資で増やしてこうぜ^^
と言いたくなる気持ちもわかりますが・・・
実は私は例に出した友人に対してこのような嘲笑いの気持ちは到底抱くことすらもできません。
なぜなら大きく財を成すことができる人というのはインデックス投資で取るリスクの何倍ものリスクを負い、実際に行動を起こせる人だからです。
私のような一介のサラリーマンがインデックス投資に留まっていては数年で数千万・数億の資産を築くことは不可能です。
でも中には投資や起業で大きく儲けを出し、脱サラに成功する人がいます。
そんな人に対してインデックス投資家である私など頭が上がりません。
そうでなくても個別株や起業をするというスキルも度量すらない私にとっては、一攫千金を狙ってやろうと思ったり、結果的に失敗しても行動に移せる人に対して嘲笑う感情を抱くどころか純粋に「すごい」と思えます。
インデックス投資家でちまちまFIREを目指す私などよりよほど強い気持ちや行動力がある人だなと思えます。
FIREするという観点ではインデックス投資より個別株や起業を成功させる方が現実性があるしね。(成功の再現性はないが)
インデックス投資が優位な手法、など誤認してはいけないのです。
インデックス投資というのはあくまで「万人におススメできる再現性の高いお金の増やし方」なだけです。
増え方も「人生を支えてくれる分」しかないことがほとんどです。
資産形成の域を出ないものだと考えています。
インデックス投資しかしていない自分など、個別株に踏み切れない、大きなリスクもできない、勉強もできない小心者だと思うくらいです。
以下の記事にてメインで語っていますが、インデックス投資をするなら個別株はできないと認める。そう折り合いを付けるくらいでインデックス投資はうまくいくと思っています。
こんな感じで割り切っていれば、人の成功を妬んだり、自分もできるんじゃないかと軽い気持ちで別な高リスクな投資に資金を突っ込んだりはしないと思います。
人の成功は羨ましいと思いはしますが、相応のリスクを取ったのだから成功したらその対価は当然だよね、と純粋に思うことができると思います。
逆に失敗した時は、それ相応のリスクを受け入れたのだから当然だよね、と冷酷に思ってしまいますが。
インデックス投資で得られるリターンは平均点でしかないのです。
その平均点を少しの勉強と設定だけで簡単に得ることができてしまうことが素晴らしいところです。
しかし私はその素晴らしさによりインデックス投資をしていることに優位性を感じるどころか、そこに甘んじるという意識を持っています。
それ以上には到達することはできない。でもそれで十分だ。