準富裕層にとって積立投資は気休めにもならない理由【ドルコスト平均法】

資産形成

インデックス投資において基本とされる積立投資

積立とは定期的に一定額を文字通り積み上げていくことで、インデックス投資において一定額を投資していく行動を指します。

キンチラ
キンチラ

積立投資と言ったらほぼほぼインデックス投資が示唆される。

私もこの記事執筆時点でインデックス積立投資を始めて7年目になり、資産5000万円以上の準富裕層に到達したことを報告させていただくところまで来ました。

しかしこの積立投資、準富裕層でサラリーマンである私にとっては投資行動としての意味がほぼほぼ無くなっています

今回はそう考える理由をお話ししていきます。

このPRの後にも本文が続きます

積立投資とは分割投資

そもそも積立投資とはなぜやるものなのでしょうか。

実は積立投資という言葉は二つの異なる意味で使われていることがあります。

一つは定期的に一定額を投資するという純粋なる投資商品の積立としての意味

もう一つは大きな資金を分けて投資するという分割投資としての意味です。

キンチラ
キンチラ

現在この二つはどちらも「積立投資している」と発言されることが多いです。

この二つのどちらを実行しているかで投資家の心理が垣間見えてきます

この後の分かり易さのために前者を定期定額投資、後者を分割投資と呼称しておきます。

まず定期定額投資ですが、これはもっぱらその投資家が毎月できる最大限の額を投資していると考えられます。

サラリーマンが毎月の給料から生活費やその他の出費を考慮した後の余裕資金を未来のために投資している姿が思い浮かぶでしょう。

これは積み立てている投資ではあるのですが、考えようによっては実は毎月最大限の一括投資をしていると考えることもできます。

予算内でできるだけ多くの資金を投資する行動なのですね。

一方分割投資は、すでに今すぐ投資できる資金が多くあるけれども敢えて分割して期間を分けて投資しているものと考えられます。

投資を知る前に現金預金だけで資産形成をしてきた人が投資を始める段階で、少しずつ投資していこうとする姿が思い浮かぶでしょう。

こちらは本来一括投資できるところを敢えて分割して極端な高値掴みを割けようとする心理が現れています。

よって比較的ですが、定期定額投資はすでに投資にイケイケな状態、分割投資はリスクを恐れた消極的な状態だと考えることができます。

キンチラ
キンチラ

実際は資金の大小や貯蓄手段の複数化(現金貯金と投資を同時)もあるため一概には言えませんが、傾向は強いと考えています。

さて、ここで積立投資はなぜやるものかと問われたときに、

きっとほとんどの方が一括投資は怖いから少額に分けて投資するというリスク許容度的な考え方を持つ方が多いのではないでしょうか?

そういった意味では上記まで呼称してきた分割投資の方がどちらかと言うと定期定額投資よりも積立投資に該当することになるのです。

このPRの後にも本文が続きます

積立投資はリスクを考慮した行動

<ジュースごくごくタイム>

で、タイトルの本題に入っていきますが、

仮に積立投資がリスク許容度を考慮して分割投資するという意味であるとするなら、5000万円もの資産を形成できた準富裕層は積立投資をそもそもしていない可能性が高いです。

5000万円という大金を形成しているということはそれなりにマネーリテラシーが高く、すでに投資を始めてそれなりの期間が経っている人物を想像します。

その人のメイン投資がインデックス投資であるとすると、すでにインデックス投資信託を数千万円近く保有している状態も想像できます。

キンチラ
キンチラ

私の例で言うとすでに5000万円のうち4000万円は投資信託で保有しています。

投資開始時点は分割投資を実施して現金から投資信託への資金移動を1年以上の期間をかけて実行していましたが、

今では毎月の給料から最大限捻出可能な額を投資している定期定額投資に完全に切り替わっています。

極端な高値掴みを恐れる心は皆無です。

むしろインデックス投資の理念に従い今が一番安いという考えで毎月最大限の一括投資をしている感覚です。

投資を”積み立ててはいる”のですが、前述の仮定においてはこの状態は積立投資とは呼べません。

「毎月常に最大」

それ以上でも以下でもないのです。

仮定した積立投資をもうちょっと深堀すると、

高値掴みを恐れるということは高いときは避けてできるだけ安いときに多く買いたいということですが、

どのタイミングが一番高くてどのタイミングが一番安いかは分からないので、

分割して定額で買い続けることで高いときには少なく買い安いときには多く買うというドルコスト平均法を実行しようという行動になります。

もう少し付け加えれば、ドルコスト平均法によって投資信託の平均取得単価を下げようという行動を取ることになります。

例えば8万円積立投資一回目の単価が10000円、二回目が8000円、三回目が10000円だったとき、一回目は8買えて、二回目は10買え、三回目は8買えます。

一回目~三回目で単価が変わらなかったのに買えた個数は26になります。

一回目に一括投資すると買えた個数は24と、積立投資の方が有利になります。

個数を多く買えた分トータルの取得単価は下がる。

このドルコスト平均法は投資開始初期に大きな心理的効果をもたらしてくれます

確かに常に右肩上がりな相場であれば一括投資には勝てませんが未来は予測できないのと短期的にアップダウンはありますので、

上がったら上がったで増えて嬉しいし、下がっても個数を多く買えるという安心感を与えてくれ、いきなり一括投資するよりも投資を継続し易くなります。

本ブログではインデックス投資においては続けることが一番大事と何度もお伝えしていますので、

投資を開始して間もない人、これから投資を始める人には積立投資をオススメします。

このPRの後にも本文が続きます

投資額に対する積立額の影響度が低い

である一方、既に投資額が多く積みあがった状態の人にとっては積立投資は実はあまり意味のないことだと考えています。(本題です!)

それは多くの投資資産に与える毎月の投資額の影響度が小さいためです。

これは私の1000万円以上の投資信託の保有数量と取得単価、現在の基準価額のSBI証券のスクショを貼りました。

分かり易い値でこの商品に毎月10万円を投資するものとします。

口数=購入金額÷現在値×10000ですから、10万円なら購入口数は62739口になります。

すでに保有している口数に対する割合はわずか0.77%程度にしかなりません。

そして取得単価に対して現在値は高いですから取得単価を下げることはできません。むしろ上がります。

キンチラ
キンチラ

投資をそこそこ長く続けていくと利益が多くなりますから当然のことです。

現在値が下回った時の効果の方が気になりますから仮に極端に-40%の大暴落が起こった時の10万円の効果を計算してみましょう。

-40%ですから現在値を15930×0.6=9558として計算すると、

10万円での購入口数は104624口になります。

これでも保有口数に対して1.29%程度にしかなりません。

ただ取得単価の方はどれくらい下がるかと言うと13466→13416の50円(0.4%程度)くらいは減ります。

大暴落時は長期間にわたり単価の低い状態が続きますから、期間が長ければ長いほど取得単価の引き下げは積み上がっていくため実は効果が大きいような気はします。

え?あまり意味がないんじゃなかったの?言ってることと真逆じゃないか!!!!

キンチラ
キンチラ

ちょ、ちょっと慌てずにもう少し聞いてください汗

このPRの後にも本文が続きます

私が既に投資額が多く積みあがった状態の人にとってあまり意味がないことだと言った理由は、

そもそもこの取得単価の引き下げを大目的に投資をしていないからです。

-40%の暴落を喰らった分一挙に取得単価も-40%になってくれれば別問題なのですが、

一回の積立で取得単価が0.4%下がったことで投資を継続しやすくなる安心感を得られるかと言うと全くそうではないです。

今後どのくらい-40%状態が続くかもわからないですし、仮に暴落が起きずに上昇を続け+80%になってからの-40%の暴落を喰らうような十分上昇→暴落のケースは基準価額が取得単価を下回りません

どうなるか分からないし投資期間がまだまだ確保できるうちの暴落は嬉しい無いと言えばウソにはなりますが、

そんなことは期待していないのです。

常に今が一番安いと考え毎月確実に投資元本を増やし、上昇相場で最大限の恩恵を受ける

ほぼこれしか考えていないのです。

暴落が来ても、待てばいつか回復する。としか考えません。

安く買えて取得単価を下げられるZE☆

という感情になったりはしないのです。

一喜一憂は長期投資の大敵です。淡々と毎月の投資を実行するのみです。

キンチラ
キンチラ

※大量の現金を暴落時の買い付けのために確保しているとは考えずらい。

平時は基本的に取得単価を基準価額が上回る(利益がある)状態がずっと続くので、短期的小幅の下落に対してはほぼ無反応になります。※むしろ基準価額を上げていくだけの行為。

投資額が大きい人にとってはインデックス投資は毎月投資元本を増やしていくだけの作業になっているはずです。

(ただ単に)積(み)立(てる)投資は気休めにすらならないただの作業でしかないのです。

このPRの後にも本文が続きます

効果が高いのはリバランス

引用:三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 交付目論見書

積立投資の効果が薄い理由は既存の投資額に与える毎月の投資額の影響度が極小であることです。新規投資では効果が低いのです。

効果の高い方法としてはリバランスが挙げられます。

リバランスとは、
値動きが異なる資産に分散投資を行っている途中で崩れてしまった資産割合をもとに戻すことです。

リバランスはドルコスト平均法のようないものを少なく買って安いものを多く買うような作用を働かせることが可能です。

リバランスは基本的に割合が高くなってしまった資産(相対的に高い資産)を売却して代わりに割合が低くなってしまった資産(相対的に安い資産)を購入する行為です。

そして安くなってしまった資産を多く仕込んだ分、次に値上がりした際により大きな利益を生み出せるといった理屈です。

キンチラ
キンチラ

割合を元に戻すという行為で安く買って高く売るという投資の基本行動を実行できる形になる。

リバランスは既存の投資額に対して行うものですから新規投資だけよりもかなり効果は大きくなります。

何もせずとも資産は増えていきますが(増えることを期待する投資だから)、リバランスを取り入れると短期的な上下がある場合に一層の利益拡大に寄与してくれます。

既に投資額が多く積みあがった状態の人にとっては積立投資による効果よりもリバランスによる効果を重視するのです。

逆に投資額が少ない方はリバランスはさほど気にする必要はありません。

なぜなら毎月の積立投資額で比率は十分に是正されていくからです。