長期投資において、どんなアセットアロケーション(資産配分)にするかが投資結果の8割を決めると言われています。
配分はインデックス投資を主として構成することが一般的であり、そしてそれを自分のリスク許容度に応じた配分にしなければなりません。
インデックス投資による長期投資は、株式と債券を組み合わせてリスクとリターンを自分用に調整しながらくみ上げることが常套手段とされています。
しかし近年アセットクラスを米国株式一本で割り当てる方が非常に多い流れとなっています。またはオルカンと呼ばれる全世界株式に投資する方も多いですね。
一般的に株式というのは債券よりもハイリターンな資産となります。ただ逆にハイリスクな資産でもあります。
リスクとは、価格変動資産の価格のブレ幅のことだよ。
リスクを取りすぎている・・・語弊を恐れず言うのであれば、価格の下落幅に耐えられなかった場合にその商品を損切りしてしまったり、
ずっと投資のことを考えてほかのやるべきことに手が付けられなくなる状態になってしまうことです。
長期投資においてはそれだけは避けなければならない事象です。
やはり債券のようなローリターンではあるけどもローリスクな資産もくみ入れることで、
何があってもブレずに投資をし続けられるアセットアロケーションにすることが何よりも大事なことだと私キンチラは考えています。
下記からそんな比較的保守的なキンチラの目標総資産6000万円を目指すアセットアロケーションの公開と、その考え方を紹介します。
ぜひご自身のアセットアロケーションを決める際に、ほんの少しでも参考になれば幸いです。
私のアセットアロケーション
上図はmyINDEXという資産配分ツールを用いて作成したキンチラのアセットアロケーションです。
このツールは各アセットの配分のみを入力すれば最新データを用いて期待リターンやリスクも算出してくれますのでものすごく便利です。
無料で使用できるなんて作成者様には頭が上がりません。下記にリンクを貼っておきますので是非活用してみてください。
参考 : myINDEX 資産配分ツール
この配分は証券口座にて個人で入金して運用している配分となります。このほかに企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)も運用しておりますが、その特性から配分を変えています。
ただし個人入金している口座の方が圧倒的に金額が大きいですので、この図が私の資産配分のすべてと思っていただいて構いません。
注意)リスク資産のみの配分となっており、現金は含まれておりません。資産配分の管理は現金やゴールドなどの非リスク資産も含めるべきとの意見もあると思いますが、私のようなFIREを目指すといったいわゆる「お金持ち」ではない人種は、いくら生活防衛資金などの現金をほかに持っていたところで、リスク資産のみのブレ幅が損切りや安売りという行動を生じさせるものと考えています。なお日本債券は賛否があるところとですが、私はリスク資産として認識しています。
さて、この配分を見るとかなり広く分散していることがわかると思います。
実際に運用している商品は下記2つのみとなります。
- eMAXIS Slim バランス (8資産均等型) 80%
- eMAXIS Slim 先進国株式 20%
コアをバランス型で広く分散し、自分のリスク許容度に合わせて先進国株式をトッピングしています。
先進国株式の6~7割は米国株式であり、私も米国は今後も経済をけん引していくと考えて配分を少し上げているといった形です。とはいえ、30%程度。
このアセットアロケーションにした理由
私の投資理念は一つのみで、「信じるものは全世界が右肩上がりであるということのみ」です。
色々な国が衰退したり、逆に台頭してきたりしながら、なんだかんだ成長していくでしょうという考えのみです。おそらくインデックス長期投資をしている人の共通認識であると思います。
そしてこの言葉は、「全世界の成長以外、どうなるかがわからない」ということも意味します。
株式が落ち込んでREIT(不動産投資信託)が上がるかもしれないし、今後長期的にリターンも高くなるかもしれない。
中国などの新興国が米国を追い越して成長するかもしれない。もしかしたら日本が復活して世界をけん引するかもしれない。
などなど、あらゆる事象に対してどうなるかわからないというスタンスです。
私にはどのアセットが私の生きている間に一番成長するかなど予想は到底できません。
米国が一番リターンが高いということも、株式が一番リターンが高いとも判断することはできません。
人に聞いたところで、未来がどうなるかなど誰にもわかることではないからです。
何が起こるかさっぱりわからないぜ!!
また冒頭で「何があってもブレずに投資をし続けられるアセットアロケーションにすることが何よりも大事」と書きましたが、
私の場合、例えば米国株式のみに投資していたとして、仮にほかのアセットクラスがどんどん伸びていくのを横目に見ながら米国株式のみにどんどん入金していくといったことができなさそうと判断しました。
途中でそのアセットクラスに一定の配分を変えだす可能性が高いです。
そんなことを数十年間もの間繰り返せば、投資結果は右肩上がりである可能性が低くなりますし、単純にすごく手間です。
すべてを買っておけばそんなことは考える必要はありませんよね。
期待リターンが過去20年間で7.5%な配分であれば私にとっては十二分で御の字です。そして広く分散している分、リスクも抑えられてさらに投資を続けやすい状態となっています。
参考までに先進国株式のみの配分も確認してみましょう。
キンチラの配分のリターン7.5%に対し、先進国株式のみは8.4%で0.9ポイント高いですね。
しかし一方、リスクは13.3%に対し、先進国株式のみは19%でなんと5.7ポイントも高いです。
つまりリターンを上げようとするとそれ以上にリスクが増大するということだね。
リスクが高いと価格変動に耐えきれなくなる可能性も増大します。
キンチラは前述の「ほかに上がっている資産を見逃せない」という性格プラス、この「一定のリターンを確保しながらリスクが格段に減らせる」ということが心地よく感じるため、資産を広く分散させるアセットアロケーションにしています。
全部に投資しているから何が上がっても悔しくないね!
そのための商品になぜバランス型を選んだのか
商品を選ぶにあたっては実はそこまで深くは考えていません。
eMAXIS Slimという商品群は手数料が格安であるということと、広く分散させるにあたって8資産均等型が都合がよかったというだけです。
後付けで理由を述べるのであれば、
- eMAXIS Slim バランス (8資産均等型)の配分を別な個別商品で構成しようとしたとき、手数料がeMAXIS Slim バランス (8資産均等型)の方が安いこと。
- バランス型はリバランスする手間が省けるため、投資を続けやすいこと
が挙げられます。特に2はバランス型最大のメリットといえるでしょうね(唯一のメリットかもしれませんが)。
リバランスというのは、
期間が経つにつれ変動していく資産配分を当初決めた配分に再度整える作業だよ。
これをしないとハイリターンであるがハイリスクである資産が長期的にはどんどん増え(短期的には減っていることもあるかもしれませんが)、自分のリスク許容度を超えた配分となってしまいます。
バランス型は自動でその配分に定期的に整えてくれます。(逆にそのため手数料が比較的少しだけ高め設定にされがちです。個人的にはもうその差は誤差レベルだと思っていますが)
何度も書いて申し訳ございませんが、長期投資は何よりブレずに続けることが大事だと思っています。
そのために自動で一役買ってくれるのだから、少々の手数料は払おうという考えでいます。
私は先進国株式単品商品もトッピングしているため、それとのリバランスはしなければなりませんが、商品が2個のみであるためそこまで手間ではないと考えていますし、ちなみに投資5年目でまだ一度もリバランスを発動したことはありません。
リバランスをしなくとも済んでいる理由は、もちろんバランス型がコアであることも大きいですが、「積み立てリバランス」の要因もあると思います。
「積み立てリバランス」とは・・・
積み立てする毎回の金額は正しい配分で入金されるため、たとえすでに投資されている資産配分が多少ずれていても、積み立てによって正しい配分へと是正されていくという考え方です。
投資金額が大きくなっていくと効力は小さくなりますが、投資開始初期の価格変動に慣れていない期間はそれだけで乗り越えられます。
感覚的に、毎月の積み立て金額が投資総額の1%くらいまでは効力を発揮するものという指標で運用していく予定です。最近積立額を増やしたため、まだまだ余裕です。(はやく余裕でなくなってほしいものですが笑)
で、あとはなぜ8資産均等型か、ということですが、そこもあまり深くは考えていないのが正直なとこです。
べつにほかの均等型でないバランス型でもよかったのですが、それを選ぶためには資産の配分に「色がついている」ことを理解する必要があります。
均等型の「何が起こるか全然わからないから全部同じように買うわ!」という潔さが、私の投資理念に合っていて気に入っています(笑)。
先進国株式をトッピングしたのは「もう少しリスクが取れるかな、買うなら先進国株式だな」という感じです。
とはいえ分散したアセアロもどうなるかはわからない
まとめですが、結局は自分が欲しいリターンが得られて、かつより続けやすく、心地の良いアセットアロケーションと商品を選んだ、ということですね。
といはいえそのアセットアロケーションも今後過去データと同じような結果をたたき出してくれるとは限りません。
図1のようなリターンが得られないということも理解したうえで、考えて設定することをお勧めします。
例えば私は7.5%は強気だから、だいたい5%程度で考えておこう・・・といった感じで保守的に目標資産達成までの計算をしていたりします。