確定拠出年金(iDeCo、企業型DC)は純金融資産に含めるべき理由【FIREでも】

資産形成

SNSで密やかかつ頻繁に意見が飛び交うのが確定拠出年金を純金融資産に含めるべきかそうでないか論。

含めるべき派の私の理由をお話しします。

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含めない派の理由は確定拠出年金のリスク

そもそも確定拠出年金はすでにお金がそこに存在しているのになぜ純金融資産に含めないという意見が出てくるのでしょうか。

含めない派の理由の根本は確定拠出年金は老後(記事執筆時点では60歳)まで引き出せないということ一本に尽きます。

60歳まで資金をどうすることもできないというリスクが大きいようです。

確かに確定拠出年金は大きなメリットである退職所得控除公的年金等控除という税金が安くなる控除制度が改悪される可能性があり、

しかも一旦入金すると引き出せないために制度改悪を避けることができないというリスクを持ちます。

なので、最後に手残りする金額が不確定であるためいっそのこと純金融資産に含めずに資産計画を考えれば安心だというのが含めない派の理由です。

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確定拠出年金を純金融資産に含めるべき理由

確定拠出年金は既に自分のお金

確定拠出年金と対を成すものに確定給付年金というものが存在します。

確定給付年金は会社では企業年金などと呼ばれることが多いです。これはもっぱら退職一時金のために企業側が資金を運用していることが多いです。

確定給付年金は文字通り給付が確定している年金です。

会社の制度にて、どのくらいの勤続年数なら何円の給付があると確定しています。

しかしそれは退職までに企業が存続していることが前提であり、倒産してしまえば支払い能力が無くなる可能性があります。(0円の可能性)

さらに定年退職より前に退職した場合、会社がその社員に積み立てて運用していた退職金に1以下の乗率が掛けられる場合がほとんどであり、

例えば定年まで勤続10年時で貰える退職金は積立金額&運用額に対して50%の乗率が掛けられたりします。

キンチラ
キンチラ

半分です、半分

給付が確定しているとはいえ現実的には給付額は確定していない(これだけ勤続すればこれだけ給付するという額は確定している)という制度になっています。

確定給付年金はまだ定年まで長い若年層、中間層にとっては資産として勘定は出来ないでしょう。※逆に定年間近の層、近い将来退職を確定してる人は資産計画の勘定に入れても問題が無い。

対して確定拠出年金は拠出が確定している年金です。

これはそのまま掛け金を個人に拠出することが確定しており、拠出した金額は個人の裁量で運用します。

こちらは確定給付年金と違い、一旦拠出されたお金は会社の存続などに左右されません。

もし会社が倒産したり転職をした場合は拠出した金額は個人型のiDeCoや転職先の企業型DCに移管できます。
※もとから個人型のiDeCoをやっていた場合はそもそも会社がどうこうは関係ありません。

確定拠出年金の掛け金は完全に独立した個人の資産なのです。

すでに自分のお金であるという性質がみんなが思ういわゆる退職金との違いです。

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大金を資金計画に含めないのはやり過ぎ

人によって数千万円になる確定拠出年金を人生の資金計画に含めないのはやり過ぎ感があります。

最悪倒産などにより0円になってしまう確定給付年金(いわゆる退職金)はまだしも、ただしくインデックス投資を行っていれば確定拠出年金は長期的にはむしろ増えている確率が高いです。

大学新卒22歳から38年間年率5~7%で運用できればそれだけで2000万円~5000万円超えも夢じゃありません。※退職所得控除と公的年金等控除から溢れた分は税金がかかるが。

そんな大金を人生の資産計画に含めないというのはむしろ過剰に貯蓄を計画することになりよろしくありません。

わざわざ現在の生活に充てる資金を減らし将来のために積み上げている資金を全く考慮しないのはおかしい話です。

仮に60歳までに自助努力で工面が必要な額が2000万円が必要だとして、これを別に用意するためには年率5%で運用できたとして月々で以下の積み立てが必要です。

年齢積立額年率5%運用後金額
2014,200円20,117,682円
3025,400円20,078,782円
4050,200円20,011,652円
50130,400円20,007,747円
※2000万円までに必要な月々の積立額(年率5%運用)
キンチラ
キンチラ

※50歳以上は出口がある程度予想できる層になってくるため今回は除外しました。

年齢が若い20歳だと月々に1万4千円以上の金額を工面するのは収入に対する割合が大きくなりますし、

年齢が高くなるにつれて運用期間が確保できずにその分月々の積立額を多くする必要があります。50歳だと13万円以上を必要とします。

せっかく積み立てている確定拠出年金を全く考慮しないとさらに同じくらいの金額の工面が必要になってしまいます。

すると将来のための貯蓄ばかりをすることになり、現在の生活に充てる資金を少なくしてしまうのです。

確定拠出年金を全くあてにせずに将来に必要な同じ目的の資金をさらに工面しようとするのはやり過ぎです。

現在の生活にどれくらいのお金が必要かはその人の感覚に依りますが、少なからず現在と将来に対する資金の割り振りにはバランスが必要です。

将来のことを考えすぎて現在を犠牲にし過ぎるのは人生の幸せという観点で本末転倒です。

むしろ様々なことにチャレンジできる年齢が低いときにこそ資金を充たいという考えもあると思います。

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FIRE目標金額に勘定しても大して問題ない

新卒時からFIREを目指す人は稀なので確定拠出年金の掛け金総額は少なくなり、逆にNISAや特定口座で運用する金額は多くなるでしょう。

確定拠出年金の掛け金上限が決まっていて、早く目標金額まで到達したいのですからね。

仮に30歳からFIREを目指し始めて50歳までの20年間でFIREしようとした場合、月55000円の掛け金でも年率5%でおよそ2240万円にしかなりません。

キンチラ
キンチラ

選択型の企業型DCを30歳に思い立った感じだね。

FIREを目指すなら確定拠出年金の以上の掛け金をNISAで運用するはずです。

NISAへ月95000円で確定拠出年金含めて総額月に15万円を投資する人なら、20年後はNISAでおよそ3870万円です。

合計6110万円のFIRE資金を4%ルールの年間244万円が必要だとして、確定拠出年金の引き出しまで10年(記事執筆時点)。

NISAでの運用を止めたとしても、244万円を10年間NISAだけから取り崩しても資金は枯渇しません。そこからは60歳に到達して確定拠出年金に手を出せます。

もしNISAで運用を続けつつ取り崩せばFIRE開始年齢がもっと早くても問題ないでしょう。

現実問題、FIREを目指すような人も確定拠出年金の老後まで引き出せないというデメリットは気にする必要はないのです。

キンチラ
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※もちろんそろそろ確定拠出年金の引き出し可能年齢が近づいてきたという段階でかかる税金を計算して老後資金が枯渇しないかどうかを確認しておくことは必要です。

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そもそも資金計画の見直しを前提にすること

そもそも資金計画に投資などの不確定要素を取り入れる以上、定期的に計画がうまく進行しているかどうかのレビューを行うことが必須です。

制度の改悪は確定拠出年金に限らず、特定口座での金融所得課税強化や、資産課税の設立もリスクとして存在します。

キンチラ
キンチラ

不確定要素があるから確定拠出年金を純金融資産額に計上しないという理由なのであれば投資している金額自体も計上できないことになります。

その時々の運用成績や制度改変、自分の年齢をトータルして勘案した時にこのままで最終目標が達成できそうかどうかを随時見直しが必要なのです。

見直しを定期的に行えば確定拠出年金の資金確度も徐々に上がっていきます。

定年に近づけば退職金すらも資金計画内に含めることができます。

安全方向に余分に資産形成を行うという意識は大切ですが、行き過ぎるとお金があるのに自分の首を絞めることになりかねないので注意が必要です。

何事もバランスです。

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都内在住サラリーマン投資家の目指せFIRE生活