夫婦にとって悩ましいテーマの一つが、お金の管理。
「口座はどう分ける?」「おこづかい制にする?」「どこまで共有?」といった話題は、どの家庭でも一度は議論になるものです。
ですが、家計管理に“これが正解”という唯一の答えはありません。
なぜなら、家庭の状況は千差万別だから。
共働きか片働きか、子どもの有無、収入の差、職種、ライフスタイルなど、組み合わせ次第で最適な管理方法も変わります。
本記事では、FIREを目指す30代夫婦で、金融資産5000万円以上の準富裕層である我が家の家計管理スタイルをご紹介します。
少しユニークな部分もあるかもしれませんが、「お金のことで揉めたくない」「無駄なストレスを減らしたい」と思っている方には、何かしら参考になるポイントがあるはずです。

結婚して5年目ですが、いまだにお金のことで不満ゼロ!夫婦の平和の秘訣、語っちゃいます!
夫婦の支出管理

夫婦の銀行口座の使い分け
我が家では、夫婦共通の銀行口座を2つ持っています。
ひとつは貯金用口座、もうひとつは家計用口座です。それぞれ役割が異なります。
① 貯金用口座:生活防衛資金や突発的な支出に備える
結婚して家計をひとつにしたタイミングで、私たちはまず「万が一に備えるための資金」を準備しました。
生活防衛資金と、将来的に必要になるかもしれない**突発的な支出(家具の買い替えや医療費など)**に対応できるよう、お互いにある程度の金額を出し合い、共通の貯金口座にまとめて振り込みました。
このお金は原則「使わない前提」で置いておくもの。
例えば、大きなトラブルや急な出費があった場合にはこの口座から補填することもありますが、現在は結婚5年目、まだ一度も手を付けたことはありません。
✅ 非常用の安心資金として、常にストックしておく運用です。
② 家計用口座:変動費の支払い用に運用
もうひとつは日常的な生活費を管理するための口座です。
主に以下のような支出に使われています:
- 食費や日用品などの変動費
- ペット(チンチラ)の生活費もここに含む
- 必要なタイミングで、紐づけたクレジットカードで決済
この家計用口座は、変動費のみを扱っており、固定費とは分けて管理しています。
具体的な固定費の支払い方法については、次の章で詳しく解説します。
支出の分担方法
私たち夫婦は共働きのサラリーマンです。
給与は毎月、それぞれの個人口座に振り込まれます。共通の口座にすべてまとめるスタイルではなく、必要な分だけ共有する形をとっています。
我が家の支出ルールは「分担制」
全てを半々にするのではなく、以下のように費目ごとに予算を決めて分担しています。
- 家賃
- 通信費
- 食費
- 水道光熱費
これらの金額ができるだけ平等になるように設定し、お互いに無理のない形で支出を担うようにしています。
固定費は個人口座から
家賃や通信費などの固定費については、分担ルールに従い、それぞれの個人口座から直接引き落としされます。
この固定費については、家計用口座とは完全に切り離しているのがポイントです。
変動費は共通口座&私が一括管理
一方で、食費や日用品などの変動費は、家計用の共通口座に予算を振り込んで運用します。
- 予算に応じて、月初に入金
- 家計用口座に紐づいたクレジットカードで決済
- 管理は一人(私)が担当
夫婦で分担してしまうと「どっちがいくら使った?」と予算管理が煩雑になるため、変動費は私が一括で管理。
その方が予算オーバーの原因も把握しやすく、見直しもしやすいです。
ちなみに、ペットのチンチラにかかる費用もこの口座から支払われています。
支出はアプリで可視化、でもガチガチにはしない
支出は「マネーフォワード」アプリで毎月チェック。
予算内に収まっているかを確認しつつ、1ヶ月分多めに入金してあるため、少しオーバーする月があっても特に問題はありません。
確定申告が必要な方は「マネーフォワードクラウド」を使っておくのも便利かと思います。


✅ 大切なのは、「日々予算を意識すること」
これによって、支出が大きくブレない暮らしができています。

「予算きっちり決めても、その通りにならないよ?」って思うでしょ。でもね、不思議と“だいたいその範囲”で落ち着くんだよね。
貯蓄・おこづかいのルール

貯蓄のスタンス:貯金よりも投資に比重
まず前提として、この章では「貯蓄」を【貯金+金融投資】の総称として使用しています。
我が家では現在、「貯金」としての蓄えは基本的に行っていません。
というのも、結婚当初にすでに生活防衛資金と突発的支出への備えとして、必要十分な金額を共通の貯金口座に振り込んであるためです。
その金額が心もとないレベルまで減らない限り、毎月の給与から貯金に回すことはありません。
✅ 生活に安心をもたらす最低限の貯金はすでに確保済み、という状況です。
投資への資金配分:給与から全額投資へ
一方、金融投資にはかなり積極的に取り組んでいます。
我が家では、毎月の給与からおこづかいを除いた全額を、投資信託の購入に充てています。
- 定額で毎月投資
- 基本的に「余ったら投資」ではなく「投資して残りがおこづかい」の逆算方式
- 投資対象は主にインデックス投資(FIREを目指すため)
臨時収入(ボーナスなど)については、各個人の裁量に任せる運用にしています。
その判断の方針や実例については、以下の記事にて詳しく解説しています。
貯蓄戦略はFIRE家庭ならでは
このような貯蓄方法は、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す家庭だからこその選択肢かもしれません。
✅ 「貯金を増やす」のではなく、「投資に回して将来の資産を増やす」
サラリーマンがFIREを目指す場合、投資の力を最大限に活用することが不可欠です。
もちろん、これは万人向けの方法ではありません。
FIREを目指していない人にとっては、「毎月の貯金ゼロ」は極端に映るかもしれません。
ですが、以下のような段階的なステップを踏むことは、多くの家庭にとって有効です:
- まずは生活防衛資金などの**最低限の現金(貯金)**を確保
- その後、余剰資金を徐々に投資にシフト
これはFIREを目指す人に限らず、誰にとっても将来に備える手段として有効なアプローチです。
✅ 現役世代が老後に年金だけで生活できないのは、すでに常識
✅ 国もiDeCo(個人型確定拠出年金)を推進=自助努力が必要な時代
お金は分割して使えるので、
- 「貯金:投資=50:50」
- 「生活資金以外の80%を投資へ」
など、自分の家庭に合ったバランスの取り方を見つけることがポイントです。


投資はリスクもあるから、自己判断でね? “貯金ゼロ”を真似する前に、ちゃんと自分の家計と相談してよね!
おこづかいの決め方と運用ルール
給与はそれぞれが管理、夫婦で“おこづかい”も平等に
我が家では、夫婦の給与を一括でまとめることはしていません。
そのため、「今月のおこづかいは○○円ね」といった手渡しや振り込みのルールは存在しません。
では、おこづかいの金額はどう決まるのか?
実はこのような逆算式で算出しています。
おこづかい=給与手取り額-各分担支出額-投資額
つまり、先に「このくらいの投資額が必要」という投資金額を決め、
そこから必要な支出を差し引いて、残りがおこづかいになる形です。
このルールのもと、おこづかいの金額は夫婦で同額になるように設定しています。
とはいえ、極端におこづかいが少なくならないように、夫婦それぞれの投資額が設定されていることが前提です。
おこづかいの使い道は自由、ただしルールあり
おこづかいについては、お互い干渉しないことが原則ルールです。
使い道に関して「それ、無駄遣いじゃない?」なんて口出しすることはありません。
- おこづかいの範囲内なら、使い道は完全自由
- 趣味や交際費、ちょっとした浪費もOK
- ただし、毎月の投資額は死守することが前提条件
つまり、あくまでも**投資額を先に確保し、その上で自由に使えるお金が「おこづかい」**という位置づけです。
✅ 投資を「余ったらやる」ではなく、「まず確保して残りで生活」
これはFIREを目指す家庭にとって非常に重要な考え方です。
なぜなら、「余った分だけ投資」では、将来の資産形成のペースが読めず、FIRE計画が立てられないからです。


FIREに必要な投資額とおこづかい額をうまく調整しよう
喧嘩にならない秘訣


ここまで家計管理方法や貯蓄・おこづかいについてお話してきましたが、夫婦間の喧嘩に発展しそうなポイントもいくつか存在します。
そこで今回は、我が家で喧嘩を回避するために意識している工夫を項目ごとにご紹介していきます。
ちょっと冗談交じりの内容なので、気楽に読み進めてくださいね(笑)
分担した支出がほぼ同額
我が家では、共通支出の分担額をほぼ同額にしています。
ただし、我が家では私の方が妻よりも年収で数百万円ほど上回っているため、支出を同額にするのは不公平に感じられるかもしれません。
しかしそこをあえて「おこづかいも同額」にすることで、バランスを取りました。
✅ 妻:「支出同額は不公平!」
✅ 夫(私):「おこづかいも同額なんだから、お互い様でしょ!」
こうした“痛み分け”を設計に含めることで、「なんか不公平だな……」という気持ちが薄れるようにしています。
さらに私は変動費をすべて負担しており、予算オーバーが発生したときのリスクも引き受けています。これにより、常に下手に出られる体制も確保済です。


最初は「稼いでいる分おこづかいがもっとあってもよいのでは?」と言われたこともありました。
投資額多すぎ問題
FIREを目指すには、ある程度まとまった投資額を継続して確保する必要があります。
そのため、妻にも投資に回してもらっていますが、当然これは「今使えるお金」が減ることを意味します。
「もっと自由に使えるお金があったらな〜」という不満にもつながりかねません。
✅ この対策として、私はなんと給与からのおこづかいをゼロにしています。
おこづかいとして使うお金は、過去の貯金やボーナスから捻出するスタイルにしています。


最近は『もっとお金使いなよ?』って言われるくらいに…
この姿勢が評価されたのか、妻も独身時代の貯金を投資に回すことに成功しました。
「自分だけが我慢してるわけじゃない」と思ってもらうための工夫は大事ですね。
贅沢ができないのでは?
FIREを目指す我が家では、日常生活の出費を必要最低限に圧縮しています。
✅ 食事:基本自炊、安い食材を選ぶ
✅ 住居:アクセスや設備は最低限満足できる範囲
✅ 外食・娯楽:基本的には控えめに
とはいえ、「一切贅沢をしない」ということではありません。
むしろ喧嘩にならないように、お金を使うときは使うという「メリハリ支出」を心がけています。
たとえば:
- ボーナス後はちょっと高めのレストランや旅行へ
- 旅行中は好きなものを食べ、好きなものを買う
- たまに高めの食材も試す(そして「やっぱりいらないね」となることも)
- 時短家電は積極的に導入
こうした「使うときは使う」姿勢がなければ、我慢の限界が来てFIREどころじゃなくなる可能性があります。


FIREって、続けることが一番大事。特に夫婦で目指すなら、ね!
おこづかい額が変動する
最後は、喧嘩ポイントと良いポイントの両面を持つ「おこづかいの変動性」です。
変動費は私がすべて担当しているため、予算オーバーした場合は私のおこづかいが減ることになります。
これに対しては、超過分が1万円以内の場合はその半額を妻に負担してもらうというルールを導入。
数千円の超過ならそのまま私が負担します。これも「下手に出られる構造」を意識しています。


妻には「また請求きた〜」と言われてます。
逆に良いポイントとしては、昇給分はすべておこづかいに反映される仕組みにしています。
✅ 昇給分=そのまま自由に使えるお金に
✅ 「昇給したのにおこづかいが増えない」不満が起きない
もちろん、増えた分を投資に回してくれると嬉しいのですが、そこは各自の判断に任せています。
FIRE計画自体は、現時点の収入と投資額を基に立てているため、変化があっても問題ありません。
家計管理方法は固定ではない


最後に大切な前提をお伝えしておきます。
ここまでご紹介してきた家計管理の方法や制度は、あくまで現時点の我が家にとって最適な形です。
たとえば、今後子どもを授かることがあれば、支出のバランスやおこづかい制度も見直しが必要になるでしょう。
また、FIREを達成した後は、当然ながら今と同じルールは通用しなくなります。
つまり、家計管理には“正解”があるわけではなく、常に柔軟に変えていく必要があるということです。
この内容を参考にしていただく際も、ぜひご自身の家庭にフィットするように調整しながら取り入れてみてください。
私自身も、今後のライフスタイルや価値観の変化に合わせて、臨機応変に家計をアップデートしていくつもりです。


大切なのはバランスだよ!FIREを目指す途中で気持ちが追いつかなくなったら本末転倒。無理なく、でもしっかり投資に回せる家計管理を目指そう!