私が長期投資のコアに据えているのは、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」というバランスファンドです。
私の資産全体のアセットアロケーションについては、以下の記事で詳しく解説していますので、よければそちらもご参照ください。
このバランスファンド、非常に手軽で優れた商品だと感じている一方で、SNSやブログなどではしばしば「バランスファンドはやめとけ」「非効率だ」といった否定的な意見も多く見受けられます。
確かに、そういった批判には一理あるものも含まれていると思います。
でも、私自身が実際に長年投資している立場として、「いや、そこまで言う?」と思う点もいくつかあるのが本音です。
そこで今回は、バランスファンドに対してよく見られる代表的な批判の声を6つピックアップし、私の視点から丁寧に反論・補足をしていきたいと思います。
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批判への反論
株式よりリターンが劣る?それでもバランスファンドを選ぶ理由


「バランスファンドは株式だけに投資するよりリターンが劣る」
確かにその通りです。しかし、それは我々が意図的にリターンを下げる選択をしているからにほかなりません。
では、なぜわざわざリターンを下げる必要があるのか?
✅ それは、リスクを抑えたいからです。
リターンが下がるだけでリスクはそのまま…というのであれば、誰もバランスファンドを選びません。
バランスファンドは、株式だけでなく債券のようなローリスク・ローリターン資産も組み合わせており、値動きのブレを緩和する役割を果たしてくれます。
投資で一番避けたいのは、心が折れて途中でやめてしまうこと。
暴落相場でパニックになり、長期投資を諦めてしまうのが最悪のパターンです。バランスファンドはそのリスクを減らすための防波堤なのです。


リターンばっかり追いかけてたら、投資は続かないよ。これ、投資の常識!
たしかに、ここ十数年は米国株式が非常に好調で、株式100%の方がパフォーマンスが良かったのは事実です。
しかし、私たち個人投資家はこれからも10年、20年と投資を続けていくつもりです。今後も米国株が常に好調とは限りません。現に、リセッション入りを警戒する声も出てきています。
だからこそ、これからの時代はますます分散投資の重要性が高まっていくと考えています。
中身を把握せず投資している?そんなことはない
「バランスファンドは“よく分からないけど分散されてるから安心”と思って投資している人が多い」
「中身の資産配分を理解していないまま買っている」
──そんな批判もよく見かけます。
でも、少なくとも私は中身を理解したうえで選んでいます。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の特徴は、次のとおりです。
✅ 国内外の株式・債券・リートに、8資産均等(12.5%ずつ)で投資
✅ 株式:債券:リート=だいたい4:4:2の比率
✅ 地域バランスは「日本:先進国:新興国」が3:6:1くらい
この構成を理解したうえで、「これくらいのバランスなら、値動きもマイルドだし、私の性格に合ってるな」と判断しました。
「投資の中身をちゃんと調べずに買っている」人も中にはいるかもしれませんが、それはバランスファンドに限った話ではないはずです。
たとえば、人気の「オルカン(全世界株式)」や「S&P500」に投資している人でも──
「オルカンって実際どこの国にどれだけ投資されてるの?」
「S&P500ってどうやって企業が選ばれてるの?」
こういった点までしっかり把握している人は、実はそれほど多くないのでは?
⚠️ オルカン=「全世界」と聞いて「なんか良さそう」で選ばれている
⚠️ S&P500=「アメリカ最強っぽいから」と選ばれている
⚠️ でも中身までは見ていないケースも多い
それに、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の構成比は公式サイトに明記されており、自分で把握する気があればいくらでも確認できます。
「よくわからないから適当に選んだ」ではなく、
私は「この配分とリスク感が自分に合っているから、あえて選んでいる」んです。


投資って“わかったつもり”のまま突っ込んじゃう人、どのファンドでも案外多いよね〜!
オルカンやS&P500は確かに魅力的な投資先ですが、
「みんなが買ってるから」「SNSで勧められてるから」だけで選んでいるとしたら、それも“中身を理解せずに投資している”に当てはまるのではないでしょうか。
私は数年間バランスファンドを保有しながら、「この値動き、自分にちょうどいいな」と感じています。自分に合っていると判断できたから、今も保有し続けている。ただそれだけの話です。
手数料が高い?今や誤差レベルです


eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を語るうえで、よく言われるのが「手数料が高い」という批判です。
確かにバランスファンドはその仕組み上、アセット単体のインデックスファンドに比べて信託報酬がやや高く設定されています。
8つの資産に分散し、定期的にファンド内でリバランスするための運用コストがあるからです。
それは事実です。
ですが──
今の時代、その差は「誤差レベル」といえる水準にまで縮まっています。
確かに、オルカンやS&P500といった単体株式インデックスと比べると、信託報酬は0.062%(税込)ほど高め。
ですがこの差、実際にかかるコストとしては年間で数百円〜数千円程度です。
また、見落としがちなメリットとして「投信マイレージなどのポイント還元」もあります。
SBI証券や楽天証券では、保有残高に応じてポイントがもらえる制度があり、
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)も対象銘柄です。
たとえばSBI証券では──
✅ 年率0.05%のポイント付与(2025年4月時点)とオルカン・S&P500よりも高く設定。
✅ 実質コストとしてはさらに引き下げられているとも言えます。


投信マイレージ、意外とあなどれないよ〜!

もちろん、運用額が数千万円を超えてくるような場合には、0.07%でも相応の差になります。
ですが逆に言えば、そのわずかな手数料で自動リバランスの仕組みが手に入るのです。
これは非常に大きな価値があります。
自動リバランスの恩恵は想像以上
インデックス投資を続けていると、株式は債券に比べて長期的に高いリターンを示すため、
時間が経つほど株式の比率がどんどん高まっていく傾向があります。
つまり、放っておけば当初想定したよりも大きなリスクを背負っている状態になりかねないということ。


だから定期的なリバランスが必要なんだよ〜!
リバランスは年1回程度で十分とも言われますが、それでも次のような手間がかかります。
✅ 証券口座にログイン
✅ 増えすぎた資産と減った資産を見比べ、割合を計算
✅ 一方を売却して、もう一方を購入
さらにやっかいなのが、心理的な抵抗感です。
- 「株が上がってるし、もう少し持っててもいいかな…」
- 「債券が下がってるけど、今買うのは早いかも…」
こうした人間の感情が投資判断を鈍らせる要因になります。
結果、「まあ、いいか」と放置してしまい、
気づけばリスクを取りすぎていて、相場急落時に大きなダメージを受けることも。
バランスファンドであれば、こうした人間の意思を介在させず、年1回の自動リバランスで淡々と資産配分を戻してくれます。
この自動リバランスこそが、投資を長く続けるうえで非常に重要なのです。
実はコスト面でも合理的
分散投資を自分でやろうと思うと、
株式・債券・REITを個別に購入し、それぞれに信託報酬が発生します。
特に新興国株式や新興国債券の個別ファンドは手数料が高くなりがちです。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)であれば、
それらをまとめて安い信託報酬で運用できるため、むしろ割安になることもあります。


新興国のファンド、信託報酬高めだから…バランスファンドの方がオトクなこともあるよ!
・・・
まとめると、信託報酬がやや高めなのは事実ですが──
✅ 実質コスト差はわずか0.062%程度
✅ 投信マイレージで差はさらに縮まる
✅ 自動リバランスの手間と心理的負担をゼロにできる
✅ 手数料が高めの新興国資産を安く取り込める場合もある
以上の理由から、「手数料が高いからバランスファンドはダメ」という意見には当てはまりません。
投資スタイルに合うかどうか、そして長く続けられるかどうかが一番大切です。
資産配分がアンバランス?でも自分に合っているのが正解
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)に対しては、「資産配分がアンバランスだ」という声もあります。
このファンドは、日本株式・先進国株式・新興国株式・日本債券・先進国債券・新興国債券・日本REIT・先進国REITの8資産に、それぞれ12.5%ずつ均等に配分する設計です。
市場規模の大きさにかかわらず、あえて均等に投資を行うこの手法に、
「市場規模に対して配分が適切ではない」「偏りがある」といった批判が向けられるのです。
この指摘自体は理解できます。
確かに日本と先進国全体(日本除く)では、株式市場の規模は大きく異なります。
それにもかかわらず、均等配分するというのは“バランス”という名に反してアンバランスだというわけです。
でも、正解は「市場規模」ではなく「自分基準」
しかし、ここで考えるべきなのは──
投資の目的は「市場規模に合った配分」を実現することではなく、長期で資産を増やすことだという点です。
そのために最も重要なのは、自分自身がその資産配分に納得して投資できるか。
つまり、“腹落ち”しているかどうかです。


長期投資は、感情と自分との勝負だって話だったね〜!
例えば、
- 「米国が今後も世界最強の市場であり続ける」と信じる人は、S&P500に集中投資すればいい。
- 「どの国が伸びるかわからない」と考える人は、オルカン(全世界株)を選べばいい。
どれも正解です。
同じように、すべての資産クラスを均等に買うという選択も、「何が上がるか予測できないから、まんべんなく投資したい」と腹落ちしているなら、まったく問題ありません。
どこにも偏らない“冷静な”資産配分
8資産均等型のようなファンドを選ぶ人には、次のような思考があるかもしれません。
「どの国・どの資産が今後上がるかなんて誰にもわからない。」
「だったら、全部に均等に投資してしまえばいいじゃないか。」
それはある意味、どこか一部のアセットを信じるのではなく、むしろ何も信じていない冷静な視点とも言えます。
このような「全方位型」の資産配分を信じている人にとっては、
S&P500のような一国集中投資や、オルカンのように米国比率が高すぎる構成に対しては不安を覚えるでしょう。
さらに、他のバランスファンドでも誰かが設計した“意図ある配分”に対して違和感を持つ人もいるかもしれません。
だからこそ、「すべてを同じように買う」という選択が、自分にとって納得感のある答えとなるのです。
自分に合っていれば、それが正解
最終的に大切なのは、自分が長期で投資を続けられるかどうかです。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、**伝統的な資産クラス(株式・債券・不動産)**に広く分散されており、
短期的な上下動はあっても、長期的には資産が増えていくことが期待できます。
事実eMAXIS バランス(8資産均等型)の成績は過去13年間以上で+183%程度の上昇がありました。(※記事執筆時点)。
それに比べて、仮に米国株だけに投資していて、暴落局面に耐えられずに売却してしまった場合──
どれだけ資産配分が「理論的に正しかった」としても、投資を続けられなければ意味がないのです。


あなたにとっては、その資産配分が“適切”じゃなかっただけなんだよ。
出口戦略が取りづらい?バランスファンドでも工夫できる


バランスファンドのデメリットとしてよく挙げられるのが、出口戦略が難しいという点です。
特に定率・定額での取り崩しを考えたとき、バランスファンドでは資産ごとの調整ができないために
「どのアセットをどれくらい残すかという調整が効かない」という課題があります。
確かに、株式・債券・REITなどを個別に保有していれば、例えば「債券は先に取り崩し、株式はそのまま残す」といった戦略も可能です。
それに対して、バランスファンドはファンド内で自動的にリバランスがかかるため、そうした戦略的な調整がしづらいのは事実です。
でも、出口戦略にも工夫の余地はある
とはいえ、「バランスファンド=出口戦略が取れない」というわけではありません。
むしろ、最初から“自分が望む比率”で構成されたファンドを選ぶことで、
そのファンドをそのまま取り崩しに使うという戦略をとることができます。


最初から「出口までこれでいく」と決めておけば、悩まずに済むってことだね〜!
たとえば、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を保有していて、
自分が「株式・債券・不動産すべてをまんべんなく持ち続けたい」という考え方であれば、
そのまま一括で取り崩していく方がむしろシンプルです。
私はインデックス長期投資は基本バイ&ホールド、なるべく早く投資に入金してなるべく長く保有することが最重要課題だと考えているので、
資産割合を変えられないことに特に大きなデメリットを抱いていません。
むしろいつも同じ割合でいてくれて助かるくらいです。
前述したようにリバランスの手間を省いてくれるのと、リスクの取りすぎを防止してくれるからです。
出口戦略が難しいという“批判の出どころ”は…
そもそも「出口戦略が取りづらい」という批判の背景には、
**リスク許容度の調整のために“下落が懸念されるアセットを事前に売り、値動きが小さいアセットに振り分ける”**といった、
アクティブな取り崩し戦略を前提にしている発想があると考えられます。
しかし、それを毎回毎回正しく判断することが可能でしょうか?
むしろ、そんな判断を正確に続けられる方がレアケースであり、現実的ではありません。
これは、インデックス投資というスタイルの中にアクティブ投資の要素を持ち込んでしまうという、
矛盾した考え方とも言えます。


インデックス投資でアクティブ投資っぽいことをするのって、なんかズレてる気がするよね〜!
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ポイントは「取り崩し時の心理的負担を減らすこと」
出口戦略の成否に関わる大きな要素は、資産価格の変動にどう向き合うかです。
たとえば、株式100%のポートフォリオを取り崩すときに、市場が下落していれば──
「こんな安値で取り崩したくない…」と、つい手が止まってしまう可能性もあります。
その点、バランスファンドであれば、株・債券・REITが分散されていることで、価格変動が緩やかになりやすいため、
取り崩しに対する心理的負担も少なくなる傾向があります。


心が揺れにくい仕組みって、出口戦略でも大事なんだよね〜!
すべては長期投資を続けていくことにつながります。
アセアロを自分で考えられない人向け?→使い方次第で立派な選択肢に
「バランスファンドなんてアセットアロケーション(資産配分)を自分で考えられない初心者が選ぶもの」
というような、やや上から目線の批判もたまに見かけます。
「自分で考えられないならバランスファンドがあっているよ!」
と親切そうに見えて、実は心の中では
「でも、ちゃんと勉強してる僕は絶対選ばないけどね!」
と思っているようなニュアンスです。
✅でも、前のセクションでも述べた通り、投資において本当に大事なのは「自分の投資に腹落ちしているかどうか」。
納得して運用できていれば、それがその人にとっての正解なのです。


「納得して続けられること」って、地味だけど超重要!
バランスファンドは決して“知識がない人向けの妥協案”ではありません。
たとえばeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)をベースにしつつ、もう少しリスクを取りたい人は株式ファンドを別途足すことで、株式比率を自分に合った形に調整できます。
そんな風に「土台」としてバランスファンドを活用するのも立派な戦略です。
逆に、「アセアロとか難しいことはあまり考えたくないから、バランスファンド1本でいいや」というスタンスでも、本人が納得していればそれでOK。
実際、eMAXIS バランス(8資産均等型)は設定来から+183%超え(記事執筆時点)という結果になっています。
✅投資を続けているうちに知識がたまって「自分にはもっと別の配分が合っているかも」と感じたら、あとから組み換えればいい話です。
逆に「このままでも大きな問題はなさそうだし続けてみよう」と思うのも、その人なりの選択です。
つまり、どんなファンドをどんな目的で使うかは、その人の投資方針やライフステージによって変わって当たり前。
「自分でアセアロを考えられない人向け」なんていうレッテルは不要です。


ファンドを“どう選ぶか”より“どう付き合うか”のほうが大事だよね!
批判はあくまで批判したその人の考え方というだけ


投資における意見や批判は、本当に千差万別です。
ファンド選びのような細かい部分から、そもそもインデックス投資なんてやる意味ない、という大きな否定まで——。
「今は米国株だ」「いや債券が正解だ」「インデックスじゃ金持ちになれない」「結局は個別株投資でしょ」など、あらゆる主張が飛び交っています。
✅こういった自分と違うスタンスの主張は、まさに“ノイズ”のように常に流れ込んできます。
でも、それらは結局「その人の意見」にすぎません。
その時々の流行りや相場に影響されてブレブレになってしまうのではなく、
自分がどの投資手法に納得しているか
を基準にしておくことが大切です。


人の声より、自分の腹の声を信じよ!
たとえ投資対象が米国株でも、オルカンでも、バランスファンドでも、それが“自分の納得のいく選択”である限り、投資を続けていく力になります。
そして続けられることこそが、長期投資では最も大事な力です。
私自身は
「何が起こるか分からないし、どの資産が伸びるかなんて誰にも分からない」
という前提に納得しているので、これからも**eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)**を積み立て続け、資産を着実に増やしていきます。
ちなみに投資を始めて7年目。
「米国株集中してたらもっと増えてたかも…」なんて後悔はしていません。
納得して投資していることが、いちばんの安心感だからです。
今回は以上になります!