先週株価急落について記事を出したばかりですが次の週でさらに一段の下落となりました。
私はFIREを目指し中の身。今回に限らずFIREを目指している内なら株価急落はむしろプラス(ポジティブ)に考えてよいと思っています。
大前提はインデックス投資
私は投資手法をインデックス投資だけでFIREを目指しています。
インデックスファンドを使って全世界に分散投資を行うというスタイルです。
この大前提がないと株価急落をプラスに捉えるということは無理です。
少なくとも私には。
理由は「いつか必ず回復する」という資本主義の構造と歴史による証明があるからです。
人間は常に今より良い生活を求め技術を発展させ続けます。すなわち経済は良くなり続けるからです。
インデックス投資は全世界の経済成長の恩恵を受ける投資手法なので、一時的な下落はいつか必ず乗り越えてさらに上昇することが期待できます。
全世界経済は長期的には右肩上がりなのです。
では私がなぜインデックス投資に限定してお話ししているかというと、それ以外の投資は「いつか必ず回復する」という大前提が当てはまらないからです。
資本主義経済においてメイン資産である株式であっても、アクティブファンド、個別株投資、高配当株投資と、ある銘柄に偏れば偏るほど大前提から外れていくからです。
全世界は右肩上がりであるという前提は全世界に投資するから成立するものです。
何万銘柄と存在する株式から数百個やあまつさえ数十個を選ぶというような投資をすると前提が崩れるのです。
どれかに偏ることで世界経済の成長に乗れる保証が低くなるどころか、ある銘柄に個別投資している場合は長期でもまったくプラスにならないことさえ十分あり得ます。
FIRE直後の暴落は逃げ切れない!!
FIREの目標金額を達成するときというのは殆どが市場が好調な時です。
株価が値上がって資産グンっ!と増えてきたときに一気に達成してしまう。
しかしながら上昇を続けてきた相場は逆に大きく下落相場に転換するという懸念も大きくなります。
そうなるとやっとFIRE目標金額に到達してFIRE生活に移行した直後に下落相場になるという可能性も大きくなります。
FIREの基本は働くことを辞めて資産収入で生活していくことですから、下落相場になってしまうと資産収入自体が減って生活が立ち行かなくなる可能性があることはもちろんですが、
実はFIRE失敗の確率が大きいのはFIRE直後に大きな下落を受けてしまうことなのです。
中々良いデータをお示しできず申し訳ないのですが、ちょっと定性的になりますが理由をお話ししますね。
大きな下落を受けると回復するための上昇のパワーがより大きく必要になってしまいますよね。
-20%を取り戻すには+25%のリターンが必要(絶対値で5%の上乗せが必要)ですが、
-50%を取り戻すには+100%のリターンが必要(絶対値で50%の上乗せが必要)。
※-30%の差に対して75%ものリターンの差が必要
これをFIRE直後に受けるというのは最悪な状態なのです。
FIRE後は資産収入から毎年の生活費を賄うのですが、生活費は毎年必要なため暴落した状態の資産からも同じ金額を取り崩す必要があります。
仮にフルFIRE状態で他に収入は無く資産収入からの定額4%ルールでの取り崩しのみでFIRE生活する場合を考えてみます。
例えば生活費に240万円/年必要な家庭が目標金額6000万円達成(240万円は4%)後に-50%の下落を受けて3000万円になってしまっても同じ240万円(8%)を取り崩す必要があります。
やっと上昇しても投資額は最大でも3000万円-240万円×取り崩し年数分少ない状態から始まるので、仮に回復しなかった2年後にやっと年率4%の上昇を見せたとしても(3000万円-240万円×2)*1.04=2620万円。
それでも生活費240万円は取り崩す必要がありますから上昇率が足りずにどんどん資産は減っていき枯渇するということになります。
回復1年目は2620-240=2380万円
回復2年目は2380×1.04-240=2235.5万円
回復3年目は2235.5×1.04-240=2084.92万円
・・・・
暴落して回復しない数年間を過ごした後に株価が上昇しても投資額がそもそも減ったの状態からスタートしてさらに取り崩しを行っているので回復までのパワーが全然足りないのです。
実際は資産が枯渇する前に労働を再開したり年金がもらえたりで何かしら対処するとは思いますが、いわゆるFIRE失敗になります。
もちろん回復期のリターンが常に4%ではなくむしろ大上昇を見せる場合もあるのですが、そのような上振れを期待するのは非常に危険です。
FIRE直後(大体5年間)を乗り超えれば過去データでは資産は枯渇せずむしろ増えていく確率が高いというデータも存在するようです。
だいたい定性的には、
FIRE直後に暴落が起きず上昇を続けた場合というのは逆に取り崩し額よりも増える額が大きく、増えたものに対してさらに増える複利効果を取り崩し期にも受けることができて、
FIRE直後に「寿命を迎えるまで」、「暴落が起きなかった期間」と、「むしろ増えていく」といった状態を考慮すると死ぬまで資産が枯渇しないケースが十分考えられるわけです。(逃げ切れる)
仮に死ぬまで暴落が起きなかった場合は当初より増えて終わります。
逆にFIRE直後に暴落が起きるというケースは暴落が起きるまでの時間稼ぎもできないし、増えていくといった状態になることはほぼ不可能で寿命まで逃げ切ることができずに非常に危険なのです。
FIRE観点で株価急落はプラスに捉えられる
もし株価が好調だった相場のままあれよあれよとFIRE目標金額を達成してしまっていたら、きっと今の急落は気が気じゃなかったと思います。
とはいえ実際は私はフルFIREではなくサイドFIRE、コーストFIREという資産収入以外の収入がある状態でのFIREを目指していることと、
暴落時に取り崩しをせずに済むように数年間耐えられるだけの現金確保をしているため大きな問題にならなかったと思いますが、
それでも収入を落とした矢先に資産が大きく目減りするという状態は不安になります。
あわよくばフルFIREもと考えてもいましたし。
また目標金額達成までにより多くの口数を積み立てられるのもプラスに捉えられる大きな理由の一つです。
もし上昇相場中にその後暴落の懸念が大きいと分かりつつも収入を下げて悲願のコーストFIRE状態に移行する判断をしていたでしょう。
これは良くも悪くも「目標金額を達成したらFIREする」という判断基準をブラさないためです。
「この後暴落するかも」という懸念からFIREを見送れば、もしかすると暴落なんか全然せずにその分歳を取ってしまうことになりますし、
FIREしていた場合の自由に使えたお金も、過剰に節制して生活を送ることになります。
そして「もう今度こそ暴落するかも」と思ってFIREできなくなる・・・という輪廻に陥ります。
しかし逆を返せばこの判断基準は当然ながら「目標金額を達成しなければFIREをしない」ということにもなります。
すると下落した時にも当然今まで通り積み立てを継続した分だけインデックスファンドの口数は多くなることに加え、
ドルコスト平均法による安値大量買いを行うことができより多くの口数を積み上げることができます。
そしてその口数というのは仮に早く目標金額に達した時よりも多いので、相場が下落前時点まで回復しきるより早く目標金額に到達することができます。
そして回復する手前で達成するということは世界が右肩上がりである以上その上の伸びしろが多いわけであり、FIRE生活移行後の暴落の確率を下げてくれます。
過熱気味になる前に達成してしまうってことだね
このように過熱気味の相場から一旦下落するというのは、FIRE達成期間は延びてしまいますがFIREを目指している身としてはピンチというよりもむしろFIRE成功率を上げるチャンスでもあるのです。
長期投資家なら動じない(〆)
そもそも長期投資家であれば投資期間が何年も残されているため短期的な下落に動じているようではダメです。
もし心がざわつくようであればリスク許容度を超えている可能性があるため分散投資や投資額の減少を考えてみてください。
またFIREを目指しているなら暴落時のことも考えて将来債券などのローリスク商品もポートフォリオに組み入れることや、現金確保も考慮に入れてみてください。
意外と注意してほしいのは下落時に行動を変えてしまうことです。
これ以上損しないように損切をするとか、積み立てを辞めるとか、特に逆に多くの入金をしてしまうなどはやりがちです。
今が本当に下落しきった底なのか?まだまだ下落途中なのか?未来は誰も分からないのです。
読みを外すとさらに下落して損失を拡大してしまったり、投資をしなかったことによる機会損失を被ることになります。
長期投資家なら動じない。
長期的に右肩上がりである投資を信じて淡々といつも通り積立投資を継続しましょう。