騒ぎ過ぎ。煽り過ぎ。
2024年7月11日に42224.02円の最高値を付けた日経平均株価は8月5日までの約半月で31458.42円まで大場下落し世間を騒がしました。
多くのメディアやSNS、Youtubeでは暴落暴落と騒いでいるようですが昨今の投資トレンドを理解していればそこまで騒ぐ必要もないはずです。
ではなぜ騒ぐかというと、騒いだ方が注目されるからです。
メディアやSNS、Youtubeは見てもらってなんぼのビジネスなのでより不安を煽るタイトル、サムネイル、内容になる傾向があります。
というよりそればっか。
正直こんな下落は暴落とは呼べません。
理由はさほどひも解く必要などありません。
まずぱっと見YoutubeやSNSでは日経平均30%減の大暴落という発信がなされていますが、実際は最大25.5%の下落で誇張表現です。
また一般国民に広く浸透した投資手法というのはインデックス投資であり、その中でもS&P500やオルカンなどの米国株式に多く投資することが主流になっています。
S&P500には日本株は含まれていませんし、オルカンに含まれる日本株式の割合はわずか8%程度、しかも採用指数はTOPIXとなっており、
しかもTOPIXの下落率は日経平均株価よりも低い24%程度です。
それぞれの指数に連動する投資信託の下落率は下記です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) : -17.4%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) : -16.8%
※2024年7月11から8月6日の下落率
日経平均の25.5%に比べて低い数値になっています。
ただまぁこの下落率は暴落とまでは言えないものの平時に比べればそれなりに大きな下落です。
この下落によって新NISAから投資を始めた人の多くで資産がマイナス(元本より減っている状態)になっているはずです。
新NISA開始後、相場は右肩上がりで推移していましたから投資初心者からしたらネガティブサプライズだったでしょう。
そういう人たちからすると暴落だと騒いでしまうのは致し方ないかもしれません。
ただこれらの投資信託というのは日本円建てであることは忘れてはいけないところで、
本家本元のドル建てS&P500の同期間の下落率はというと、わずか-8.5%だったのです。
つまり為替影響だけで-8.9%の下落となったのです。
言い方を変えると為替影響を除くと-8.5%程度の下落でしかなかったのです。
※リーマンショックは為替影響を除いても-50%の下落でした。(これが暴落)
多くの日本人がS&P500やオルカンに投資している状況に対し、日経平均の下落30%(実際は25.5%)だけを切り取り暴落だと騒ぐことはいかがなものか?
自らの利益のために必要以上に投資になれていない人間の心を煽り、長期投資を辞めてしまう手助けをしている。
中には日銀植田総裁の利上げ決定がきっかけという発信も見られますが精々日本株式への影響がそこそこ大きいということだけに留まり、
少なくとも現時点では他国資産の影響は軽微です。
もしこの下落程度で心がざわついてしまうようなら、メディアの煽りの有る無し関係なく今の投資を見直すことをおすすめします。米国株一辺倒は自分にはやり過ぎだったと反省が必要です。
しかしこの程度の下落でも世間が騒ぎ立て、個人の目にまで何度も何度もネガティブ情報が届いてしまうという状況は無くならないでしょう。
様々な有識者が煽りに煽るような発信をするのです。
私たち個人はそれに耐えなければなりません。
長期投資が難しいと言われたりするのは、ただ投資信託を持ち続ければいいという言葉以上にこのような煽りにも打ち勝たなくてはならないという点もあります。
もしかしたらまだまだこれから下がるかもしれませんし、下がり続ける相場が数年間つづきさらに回復するまで十数年かかるかもしれません。
その相場自体に耐えられるかというのはもちろんのこと、下がる度に年単位で毎日煽りを受け続けることになります。
でもそれはしょうがないのです。受け入れるしかないのです。
自分は悪くはありません、発信者が悪いのです。
適切にインデックス投資をしていれば長期的に右肩上がりなのは歴史上ほぼ信じてよいのです。
これ以上個人を煽る発信をするのは辞めていいただきたい。
別に今回の暴落もどきについて各発信者のように詳しくデータを解析するまでもなく、実質的に到底暴落とは呼べないということが分かるのに、
いらんデータをこねくり回して騒ぎ過ぎです。
最後に私のメイン投資先であるeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の同期間の下落率を貼っておきます。円建てなので為替影響込の数値です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型):-9.75%
この機会にぜひ分散投資も検討してみてください。