一人暮らし手取り17万円で奨学金返済月1万5000円はつらいのか

資産形成

この記事にたどり着いた方、もしかすると奨学金を返済中または返済開始予定ですね?

私も本記事執筆時点で絶賛返済中であり残り数年で完済というところまで来ております。

さて、この前奨学金返済の辛さについてYahooニュースの記事がありました。記事本体はこのブログ記事の最後に掲載しておきます。

大学新卒で借金300万円を負い、平均月々1万5000円の返済を14~15年行うのが辛いということでした。

「後悔しています」「吐き気がする」など当事者の声を報じていますが私の感覚だと疑問です。

今回は手取り17万円で奨学金返済月々1万5000円は辛いのか、について見解を述べます。

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結論:手取り17万円で奨学金返済月1万5000円は辛くない

17万円という額は手取りということなので、月々1万5000円の返済はそれの10%以下ということになります。

残り15.5万円。これをあと何に使われるかを考えましょう。

家賃

大学新卒で一人暮らしだとします。地域は東京だとしましょう。

東京は家賃が日本で一番高い地域ですが、単身用賃貸なら5万円で借りることも可能です。

勤務先までの交通費は会社負担だとすれば、場所を選ばなければ十分可能です。

23区内のオフィス近くだと厳しいかもしれませんが、少し離れた場所や多摩地区なら割と選択肢があります。

キンチラ
キンチラ

東京の西の辺境、奥〇摩あたりに住めとは言ってないからね。

実際に私は大学時代に共益費込々で5万円で賃貸に住んでいましたが建物は古いといっても小綺麗にはされていて、内装もしっかりリノベされていました。

余裕を見て家賃は5.5万円としましょう。

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食費、光熱費、通信費

残り10万円。

ここから絶対にかかる食費と光熱費、通信費を考えますが、一人暮らしなら飲み会などを差し引けば食費は3万円もあれば十分でしょう。

毎日外食は無理ですが、少し自炊も混ぜれば十分です。

現在私は妻と二人暮らしで食費3万円です。自炊メインですが、それを考えると一人で3万円は節約意識を特段持たなくても現実的なラインでしょう。

のこり7万円。

水道光熱費は単身なら1万円を見ておけばよいでしょう。

通信費はインターネットの固定回線に光回線のマンションタイプなら4000円で部屋内にWifiを飛ばしスマホ代も格安SIMで外出先だけで運用するとするなら、

大体2000円で通話SIM+通信量6~10GBくらいは確保できるはずです。

日用品なども考慮して差し引いてのこりは5万円としましょう。

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保険

大学新卒ならまだ結婚もしておらず子供も授かってはいないと考えると、医療保険も生命保険も必要ありません。

キンチラ
キンチラ

年齢が若くケガ、病気のリスクが低いため。
普段の病院にかかる費用は国民皆保険で3割負担なので貯蓄で賄う前提です。

大きなケガや病気の治療には相応の費用は掛かりますが基本的に3割負担なのと、高額療養費制度にて個人負担7~10万円で済むはずです。

これに備える民間の保険に月々数千円~数万円を支払う前に、現金貯金を優先的にしておきましょう。

ここでは入社数か月で大きなケガや病気になるパターンは可能性的に無視します。
あっても両親などに一時的に工面してもらえる可能性も十分ありますし。

保険で必要なのは家財保険(賃貸契約に必須)、個人賠償責任特約(ほぼ必須と考えてよい)になります。

単身世帯の家財保険なら全〇済などで選べば4000円程度で済みます。
個人賠償責任特約は単体では加入できませんが、家財保険や保有しているクレジットカードに付帯している特約でカバーできます。大体高くても200円で加入できるかと。

賠償責任の保険に加入する意味は他者へ与える賠償が尋常ではないくらい大きくなる可能性があり、自身の人生を揺るがしかねないという観点からです。

自転車保険については他者への賠償という観点では個人賠償責任特約でカバーできますので不要ということにします。自身のケガの治療については貯金で賄いましょう。
自転車が壊れてもお金を貯めてからまた新しく買いましょう。

というわけで保険にかかる分は手厚くしたい気持ちも加味して合計1万円くらいで見ておきましょう。

のこりは4万円です。

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貯蓄

安全に生活を営むための最低限の資金は上記までで考慮できました。

次は楽しい社会人ライフを過ごすための資金・・・を考える前に将来のための貯蓄を考えます。

貯蓄は手取りの25%が健全なラインだと考えると4万2500円になります。

ただ正直新卒から4万円以上を貯蓄できるのはかなり優秀な方(手取り17万円ならなおさら)なので、少し削って3万円にしましょう。

大学新卒22歳から月3万円の貯蓄を定年の60歳までの38年間続けると13,680,000円になります。

一千万円越えです。若さとは力です。
これだけだと老後資金としては心もとないですが、年齢が上がれば収入も上がって貯蓄できる金額も増やせますし、退職金も少なからずあると思います。

もし投資をすれば38年間で大幅に増やすことも可能です。

月々3万円をインデックス投資で少し保守的に3%で38年間回せば、25,000,000円超えです!!

新しいNISA制度を使用すれば税金がかからず利益を丸々受け取れます。

インフレにも対応できることでしょう。

とにかく新卒時点で月3万円を貯蓄できれば超優良家計だと思います。

将来給料が上がることを考えれば、新卒時点で月2万円に減額してもよいと思います。

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趣味娯楽

のこり1万円。

正直新卒で貯蓄のほかに月1円も自由に使えるお金を確保できるなら十分ではないでしょうか?

同期との飲み会にだって何度か行けますし、好きな服や靴も買えますし、お金を貯めてから旅行や大きな買い物だってできます。

東京なので遊びには車は必要ありませんし、遠方にドライブするならレンタカーやカーシェアで十分です。

地方在住で車必須でもその分家賃を数万円下げられますので維持費は賄えます。

貯蓄分を1万円削ればさらに余裕があります。

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なぜ辛いと思う人がいるのか?

上記まででざっくりですが貯蓄や娯楽も含めた手取り17万円の家計の計算をしてみました。

現実的に可能と思ったのではないでしょうか?

ただすべての人が趣味娯楽に月2万円で足りるとは限りませんが、少なくとも奨学金返済をしながら「生活が辛い」「吐き気がする」というような状態にはならないことがわかったのではないでしょうか。

しっかり将来のための貯蓄もできます。

ではなぜ手取り17万円で月1万5000円の奨学金返済が辛いと感じる人がいるのでしょうか?

それは今まで述べてきたお金の振り分けに大事なポイントがあるからであり、そこがずれてしまっているためです。

パターンをいくつか考えてみましょう。

身の丈に合っていない家賃

上記の試算では家賃を5.5万円と見積もりました。

しかしこれを都心で賃貸を借りたりするとプラス2~5万円はかかると思われます。

それだけで趣味娯楽や貯蓄分を食い尽くしてしまいます。

そのため食費を削ったりして「苦しい」「辛い」となるのです。

都心から外れても設備の整ったキレイな部屋に住むだけでプラス2万円くらいにはなってしまいます。

これは住む部屋に重きを置いたためであり、そのほかの部分を犠牲にしている状態です。

家賃は一旦契約すると2年間は固定で引き下げられない費用(一概には言えませんが)なので、どうしてもそのほかの部分を削る必要が出てきます。

貯蓄を数万円確保、趣味娯楽にも数万円使える状態を健全とするなら(少なくとも私は健全と思っている)、多少外観が古くとも、部屋の設備に不便があっても(ユニットバスとか)、十分不自由のない生活ができるのですから家賃は身の丈に合った水準に下げるべきです。

少し強めの表現をすれば、手取り17万円では家賃5.5万円以下の部屋にしか住めない身分なのです。

キンチラ
キンチラ

大体手取りの32%です。これでも高いくらいですが、東京住みなのでこれが限界水準。

新卒社会人のうちは家賃にお金をかけるよりも、趣味娯楽へのお金を確保した方が楽しいのではないでしょうか?(私の感覚ですみませんが)

もう少し良い部屋に住むのは社会人として数年間頑張って給料が上がってからでも遅くないのではないでしょうか。

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支出が最適化されていない

食費、光熱費、通信費の項目では色々前提をお話ししましたが、

光熱費は電力・ガス自由化により自分に合った会社を選べば費用を削減できますし、

通信費は三大キャリアを使っていては格安SIMとの差額は6000~8000円くらいになると思います。

光回線も何も考えずに単一契約するよりも格安SIM会社とのコラボプランを使うなどして500円くらいは安くできます。

食費は多めに3万円取ったつもりですが、ここも人によっては自炊0やこだわりなどで数万円多くなる人もいます。

勤務先のオフィス周りでランチ700円を毎日食べていてはそれだけで月1万4000円かかります。
弁当の持参やコンビニなども取り入れて外食を減らす努力が必要です。

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不要な保険の加入

大学新卒なら基本的に家財保険と個人賠償責任特約以外は不要です。

キンチラ
キンチラ

車を保有しているなら任意保険は必要ですが

それでも何かあった時が怖い、という気持ちもあるかとは思いますが、であればなおさら保険に入らずにまずは家計の健全化を優先しましょう。

前述しましたがケガや病気の手術などをしてもほとんどが国民皆保険適用の手術であり、高額になっても高額療養費制度で上限は守られます。

保険適用外の先進医療は考えられますが、確かに数百万円でかかる治療方法もありますが、数万、数十万円で済むものたくさんあります。

でもそんな可能性が低いものへ備えるため民間保険に数万円をかけるより、まずは目先の家計の健全化が何より優先です!!生活の豊かさに直結する部分です!!

医療費に備えるのは保険ではなくまずは貯金です。しっかり生活の基盤を整えることから始めましょう。

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苦しいことを奨学金のせいにするな

社会に出ていきなり300万円の借金・・・

確かに新卒社会人としては多額の金額ですが、奨学金は月々の返済額は固定で決まっていますし、負担が大きくならないように長期間の返済プランになっています。

私も就職して10年目。あと4年弱で返済がやっと終わります。

辛いと思うのは大抵自身のせいです。収入に対して身の丈に合っていない生活を構築している自身のせいです。

今回のYahooニュースの話題に限れば手取り17万円もあるのです。十分健全家計を構築可能です。

しっかりお金に向き合い、支出の最適化を図ってください。

奨学金返済はたしかに負担ではありますが、辛いを感じさせるのは奨学金のせいではありません。

キンチラ
キンチラ

(返済が終わればその分FIREまで近づけるのになぁ・・・)

該当のYahoo!ニュース記事:手取り17万円・借金300万円…「後悔してます。」大卒新入社員「奨学金負担」に吐き気