最近、投資界隈で注目を集めている「レバナス」。
これは、米国のハイテク企業やIT関連の企業が多く含まれるNASDAQ100に対してレバレッジ(てこの原理)をかけた投資信託のことです。
レバレッジを活用することで、指数が上昇すれば通常の2倍以上の利益が期待できますが、逆に下落すれば大きな損失にもつながるハイリスク・ハイリターンな商品です。
そんなレバナスを長期投資に活用しようと考える人も増えており、実際に「レバナスは長期投資に向いているのか?」という議論が絶えません。賛成派と反対派の意見は真っ向から対立し、いまだに決着がついていない状況です。
本記事では、レバナス長期投資の賛否が分かれる理由を詳しく解説していきます。
レバナス肯定派の主張
NASDAQは長期的に成長する
レバナス肯定派の多くは、米国経済の成長とNASDAQ100指数の将来性を信じている人たちです。
「短期的には大きな下落があるかもしれないが、長期的には右肩上がりになる」と考えているため、レバレッジをかけて運用すれば、通常のNASDAQ投資よりも大きなリターンが得られるというのが主張の根拠です。
資産形成のスピードを上げられる
近年のFIRE(早期リタイア)ムーブメントとレバナス投資が結びついているのも特徴的です。
FIREを目指すには数千万円以上の資産が必要なため、資産形成を少しでも早めたい人たちにとって、レバナスは魅力的な選択肢となります。
レバレッジをかけることで、市場が上昇すれば、通常の投資よりも早く目標資産額に到達できるという期待があります。
繰り上げ償還リスクは低い
一部の投資信託では、純資産総額が一定基準を下回ると繰り上げ償還(強制解約)されるリスクがありますが、レバナスに関してはその可能性が低いと考えられています。
たとえば、iFreeレバレッジ NASDAQ100の繰り上げ償還条件を見てみると、受益権の口数が30億口を下回らない限り問題はありません。
執筆時点では純資産額が1,000億円を超えているため、基準の数十倍の余裕があり、すぐに償還される可能性は低いと見られています。
レバナス否定派の主張
ほとんどの人が投資を続けられない
レバナス否定派が最も強く主張するのは、「長期投資において一番大事なのは続けることだ」という点です。
NASDAQ100は長期的に成長しているとはいえ、短期的な暴落も頻繁に発生しています。
✅ リーマンショック(2008年) → NASDAQ100は約50%下落
✅ コロナショック(2020年) → 約30%下落
✅ ITバブル崩壊(2000年) → 最高値を回復するのに 約15年 かかった
このような暴落時、通常の投資信託でも含み損に耐えられずに売却する人が続出します。レバナスはその値動きが2倍以上になるため、精神的な負担も大きくなり、多くの人が投資を続けられないと否定派は指摘します。
資産が増えるとリスク許容度が変わる
投資を続ける上で重要なのが、自分のリスク許容度を正しく理解しているかという点です。
✅ 100万円の投資が50%下落 → 50万円の損失
✅ 1,000万円の投資が50%下落 → 500万円の損失
✅ 1億円の投資が50%下落 → 5,000万円の損失
レバナスを運用する中で資産が増えていくと、最初は耐えられていたはずの下落が、金額の大きさに耐えられなくなるケースが多いのです。
「投資は続けることが大事」と言っていても、資産額が大きくなるほどリスク許容度は変化し、途中で売却してしまう人が多いというのが否定派の主張です。
なぜ議論は平行線なのか?
レバナスを巡る議論がずっと続いている理由は、**「市場の動き」と「人の心理」が違うから**です。
✅ 肯定派:「NASDAQは右肩上がりだから問題ない!」
✅ 否定派:「でも、ほとんどの人が続けられない!」
という議論が、完全に噛み合っていません。
肯定派は 「市場は長期的に成長する」 という事実を根拠にし、否定派は 「個人投資家の心理的ハードル」 を指摘しています。
結局のところ、レバナスが長期投資に向いているかどうかは、「自分が続けられるかどうか」 にかかっています。
結論:レバナスは長期投資に向いている?
レバナスはハイリスク・ハイリターンな投資信託であり、長期投資で大きなリターンを狙える可能性がある一方で、短期的な暴落に耐えられないと途中で撤退することになるリスクもあります。
最終的には、自分の投資スタイルとリスク許容度をよく考えた上で判断することが大切ですね。

続けられるならレバナスはアリ!でも、続けられなければナシ!